ブレグジットでポンドの相場に変化?2017年のEAには新たなロジックを期待

 

ブレグジットのおかげでポンド円のEAはてんてこ舞い

 

2016年は6月のBrexit(ブレグジット)や11月のトランプショックなど
相場を大きく動かす出来事が2つもありました。

 

大きく動いた原因は
どちらも事前の予想の逆の結果になったことが大きな要因です。

 

このような相場状況ではマーケットは乱高下を繰り返すことが多いので、
荒波に飲み込まれてしまった投資家も多かったのではないでしょうか。

 

 

生身の人間でさえ痛い目に遭っているのだから、
MQLという簡単なプログラミング言語で作られているEAなんかは
さぞかしボロボロに痛めつけられてしまったことでしょう。

 

特にブレグジット後はポンドの動きが変わってしまったようで、
ポンド円をトレードするEAが大きな被害を受けてしまったようです。

 

 

自動売買という言葉を聞くと
最先端のテクノロジーを使っているように思ってしまいがちですが、
実はEAで出来ることなんてたかが知れているというのが現実です。

 

基本的に出来ること言えば、既存のテクニカル分析を組み合わせることで
エントリーやクローズの判断をすることくらいです。

 

外部ライブラリを利用することで
人工知能(AI)などを活用することも出来るかも知れませんが、
手の届きやすい価格帯ではそうしたEAは見当たりません。

 

 

MT4での自動売買というものが、
先人たちの知恵であるテクニカル分析を駆使した
古典的な手法の上に成り立っているということを
常に頭の片隅に置いておく必要があるでしょう。

 

 

多くのEAはテクニカル分析を利用してロジックを組み立てている関係上、
どうしても過去のヒストリカルデータの動きに縛られることになります。

 

相場が穏やかな時に機能していたEAほど、
価格変動が激しくなるにつれついていけなくなり、
破綻してしまう傾向が強いようです。

 

 

特に移動平均線などのトレンド系のテクニカル指標を使っているロジックでは、
かなり遡ってヒストリカルデータを読み込んでいるため
過去の動きの呪縛から逃れることができないのです。

 

ブレグジットにより機能しなくなったと思われる
ポンド円用のEAを見つけたので
どのようなロジックを採用していたのかをチェックしてみることにしました。

 

 

まずはこのEAの収益曲線を見ていきましょう。

 

 

 

このEAは2016年の7月までは順調に右肩上がりのカーブを描いていたのですが、
その後はだらだらとした右肩下がりのカーブを描き始めています。

 

2016年7月といえばブレグジット直後だったことから、
このEAのロジックがポンド円の相場状況に合わなくなってしまったという
推測ができるのではないでしょうか。

 

 

このEAのロジックはMACDを使用したトレンド系のスイングトレードEAです。

 

ロジックの核となっているMACDは
移動平均線をベースにしたテクニカル指標ですね。

 

このEAはクローズ手段として、
固定式のテイクプロフィットとストップロスしか備えていなかったので、
相場のボラテリティが変化したことにより機能しなくなった可能性が高いですね。

 

 

もし、このEAがテクニカル分析によるクローズロジックを実装していたのなら、
このような極端な落ち込みは見せなかったと思います。

 

EAをあらゆる相場に対応させようとする場合には、
可変式のテイクプロフィットやストップロスなども有効な手段になるわけですが、
固定式では自ずと限界があるようです。

 

 

ポンド関連のEAを見ているとこうした例が散見されます。

 

しかし、最近はこうしたEAも回復する傾向にあるので
相場状況が元に戻りつつある兆しなのかもしれませんね。

 

 

 

ブレグジット後でも好調なEA

 

一方でブレグジットの動きにも影響を受けず、
右肩上がりで資産を増やしているEAが存在している
という事実も見逃すことはできません。

 

 

 

このEAは先ほどの紹介したEAと同様にトレンド系のロジックを採用しているのですが、
テイクプロフィットやストップロスだけでなく、
内部ロジックによるクローズシステムが備えられているというのが
大きな違いとなっています。

 

クローズロジックにより積極的に利益確定をしていくので、
相場のボラテリティが多少変化しても
受ける影響はそれほど大きくないのかもしれません。

 

 

トレンドの判定には移動平均線を使用しているようですが、
デフォルトでの設定期間は20と短いため
相場の変化にフレキシブルに対応することができたのではないかと思われます。

 

ポンド円は動きが大きいので
トレンド系のロジックが通用することが多い傾向にあります。

 

 

しかし、過去のバックテストがどんなに素晴らしくても、
相場の変化に適応できないEAというのは
フォワードテストで勝ち続けることは出来ません。

 

将来のボラテリティ変化に対応することができるのかということは、
EAを選択する際の判断に盛り込んでおいたほうがいいでしょう。

 

 

 

新しいタイプのブレイクアウトEAが今後のトレンドになる

 

2016年に活躍したEAの中には
ブレイクアウト戦略を採用しているものが多かったですよね。

 

ブレイクアウトはロジックとしてとても有名なのですが、
個人トレーダーが裁量で実践するためには強靭なメンタルが必要になります。

 

通常のトレーダーはそこまでのメンタルを持ち合わせていないため、
ロジックは簡単なのですがハードルは高いと言ってもいいでしょう。

 

私も以前ブレイクアウトにチャレンジしたことがあったのですが、
ストップアウトの連続により1週間で心が折れた記憶があります。

 

一口にブレイクアウトといっても様々な手法があるので、
裁量トレードに向いている手法もあるのかもしれません。

 

でも今さら探す気になんてなれないですよね。

 

 

というのも、MT4の自動売買が普及したことで、ブレイクアウトのロジック
簡単にEA化し検証することが出来るようになったからです。

 

自分でEAを作成できない人でも安心してください。

 

ブレイクアウトのロジックはシンプルで開発しやすいので、
最近では様々なタイプのブレイクアウトEAが販売されているのです。

 

 

このサイトでも度々紹介している「ブレイクスキャルシステム」は、
ブレイクアウトの瞬間を捉えスキャルピングするというタイプのEAですが、
ドローダウンの少ない優秀なロジックです。

 

強いて弱点を挙げるとしたら、要求スプレッドがシビアなので
ブローカー選びを失敗すると機能しないという点くらいでしょう。

 

 

ブレイクアウトとスキャルピングの融合が
2017年のEAのトレンドになるかもしれない、
そう思わせてくれるほどのインパクトを残してくれたブレイクアウトシステムでした。

 

 

既存のブレイクアウトという概念を変えた戦略という意味では
「緊急発動FX USDJPY」もインパクトがありましたね。

 

このEAは1分足での設定pipsをブレイクアウトした瞬間に
エントリーするという戦略で、
ボラテリティが異常に高まった瞬間を逃さないというスタイルをとっています。

 

 

普通に考えると高値買いや安値売りの危険性があるので、
怖くて手が出せない戦略だと思います。

 

「緊急発動 FX USDJPY」ではこうした懸念を払拭するために
タイトなトレイリングストップロスを併用しています。

 

相場の勢いが強ければどこまでも追っていくし、
勢いが弱ければ最低限の利益を獲得して逃げてしまうわけです。

 

 

指標発表時などの相場の急変に対応したオールシーズン、
オールタイム型のEAで似たようなものは見当たらないかもしれないですね。

 

紹介した2つのブレイクアウトシステムの共通点は、
瞬間的にトレードを完結させるためにポジションの保有時間が短いことです。

 

ポジション保有時間が長ければ長いほどリスクは高まるので、
リスクマネジメントの上でも好ましいロジックだと思います。

 

狙う利幅は小さくなりますが、
リスクが少ない分トレードサイズを大きくするなどでカバーできるのです。

 

 

「緊急発動 FX USDJPY」はその性質上エントリー回数が少ないので、
メインのシステムとして使うのには無理があるかもしれません。

 

相場の激しい動きに対応できないEAと組み合わせることで
真価を発揮するEAと言えるのではないでしょうか。

 

 

 

2017年はエントリー精度が高く素早くトレードを完結させるEAの登場に期待

 

2016年のEAを振り返るとパフォーマンスが高く、
実運用に耐えられるものが多かったようです。

 

5年前のEAなんてそれはひどかったということを考えると、
技術の進歩のすばらしさに改めて気付かされますね。

 

EAのプログラミング言語であるMQLで出来ることというのは限られているのですが、
限られた中でもアイデア次第では機能するロジックが作れるということなのです。

 

今年、2017年にはどのようなロジックのEAが登場してくるのでしょうか。

 

今から楽しみでしかたがありませんね。

 

 

私が2017年のEAに期待することは、エントリーの精度の向上です。

 

エントリーの精度が上がれば逆行による含み損を抱えることもないし、
利益確定までに要する時間も短くて済みます。

 

ポジションがリスクにさらされる時間が少なければ、
不意のニュースにより大損失を蒙ることも避けられるのです。

 

 

2016年は「Hornet USDJPY」や「ブレイクスキャルシステム」などの
ドローダウンの小さいシステムが大活躍しましたが、
2017年はこの2つのEAを参考にして作られたEAが
多数登場してくるのではないかと思います。

 

この2つのEAはロジックを公開しているわけではありませんが、
EAの開発者なら公開されているパラメーターやトレード履歴などから
ある程度はロジックを割り出すことが出来ます。

 

 

特にブレイクスキャルシステムに関しては、
今まであまりなかったロジックということもあり
亜種がたくさん出てくるのではないでしょうか。

 

ブレイクスキャルシステムの最大の弱点である
要求スプレッドの狭さという壁を
ぶち破ってくれるEAが登場することを期待したいですね。

 

 

EA選びの際にはブレグジットの教訓を活かし、
テイクプロフィットとストップロスだけしかクローズ手段を持たないEAは
選択肢から外しましょう。

 

ボラテリティの急変についていけず
口座残高をどんどん減らしていくことになります。

 

 

もちろん、パラメーターの変更で対応できるケースもあるのですが、
経験上トータルのバランスが崩れて
うまくいかないことが多かったのであまりお勧めできません。

 

相場の状況は刻々と変化していくものです。

 

相場の状況に柔軟に対応できる、
もしくは相場の状況に影響を受けづらいロジックを採用したEAこそが
2017年を生き残るために必要なのではないかと思います。

 

 

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