普及しなかったメタトレーダー5(MT5)は分析ツールとしては秀逸

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MT4のバージョンアップ版として登場したMT5!しかしいまだに主流はMT4のようだ

 

MetaQuotes社のチャートソフトであるメタトレーダー4(以下MT4)は、
既にメタトレーダー5(MT5)へとバージョンアップがなされています。

 

MT5は2010年6月にリリースされているので、
デビューしてから既に5年以上の歳月が流れていることになります。

 

 

そんな中、国内のブローカーを探してみても、
MT5をトレーディングプラットフォームとして
採用しているブローカーは見当たりません。

 

海外のブローカーには採用しているブローカーもあるのですが、
MT4に比べると圧倒的に少数派です。

 

MetaQuotes社もこの現状を打開するために
コンテストやキャンペーンを利用してMT5の普及のために努力してきました。

 

しかし効果はほとんどなく、いまだにMT4からMT5への移行は実現できていません。

 

 

機能的にはMT4よりも向上しているはずのMT5が普及しないのはなぜなのでしょう?

 

 

まず考えられるのが、MT4とMT5のプログラミング言語の違いです。

 

MT4のEAやインディケーターはMQL4という言語で作られていますが、
MT5ではMQL5という違う言語が使われています。

 

困ったことにこの2つの言語間には互換性がありません。

 

 

つまり、MT4で使用していたインディケーターやEAは、
MT5に移行すると全く使えなくなってしまうのです。

 

MT4で使っていたのと同じものを入手できればいいのですが、
開発者たちは普及していないMT5用のEAやインディケーターなど
作成してくれるはずもありません。

 

この結果MT4ユーザーはMT4を使い続けるしかなくなってしまったわけです。

 

 

互換性の問題はプログラミング言語だけにとどまりません。

 

保有しているポジションについてもMT4とMT5では取り扱い方が異なっています。

 

MT4は基本的に両建てのポジションを扱うことが出来るのですが、
MT5では両建てが出来ないような仕様になっています。

 

 

例えばMT5でドル円をロング、その直後にドル円をショートして
両建てポジションを構築しようとしても、
この2つのポジションは決済されてしまいます。

 

また、同じ通貨ペアで複数ポジションを持とうとしても、
全てのポジションがまとめられてしまい
一つのポジションとして扱われてしまうことになります。

 

 

このようなポジションの扱い方の背景には
米国NFAの両建て禁止の影響が強く働いているようです。

 

ちょうどMT5の開発の時期とリンクしていたため
このような仕様を組み込んだのでしょう。

 

 

しかしこれでは両建てを利用するストラテジーや
複数ポジションを持つストラテジーは使えないということになってしまいます。

 

また一つの口座で複数のEAを動かしたいときに支障が生じてしまいます。

 

 

このように両建て複数ポジションの扱い方がMT4とは異なるという点も
MT5への移行が進まない原因の一つといっていいでしょう。

 

 

 

デメリットばかりではない!MT5を使うことのメリット

 

MT5への移行が進まないのはプログラミングと
ポジションの取り扱い方
がMT4と異なることが原因なので、
このことを問題視する人は今後もMT5に移行することはまずないでしょう。

 

 

とはいうもののMT5にはMT4にない良さもたくさんあります。

 

チャート機能はMT4よりも多機能ですし、
ストラテジーテスターの性能に関してはMT4など足元にも及びません。

 

トレーディングプラットフォームとしては非常に使いづらいのですが、
チャート分析、EAのバックテスト・最適化などに特化するのなら
MT5の方に軍配が上がると思います。

 

 

 

細かく設定できるチャートの時間足

 

MT4でテクニカル分析をする際にチャートの時間足の選択肢
他のチャートソフトに比べて少ないと不満を抱いた人も多いのではないでしょうか。

 

MT4で表示できるチャートの時間足は以下の9種類になります。

 

1分足(M1)、5分足(M5)、15分足(M15)、30分足(M30)、
1時間足(H1)、4時間足(H4)、日足(D1)、週足(W1)、月足(MN)

 

 

一方のMT5で表示できる時間足は21種類とMT4に比べるとはるかに多くなっています。

 

1分足(M1)、2分足(M2)、3分足(M3)、4分足(M4)、5分足(M5)、
6分足(M6)、10分足(M10)、12分足(M12)、15分足(M15)、20分足(M20)、
30分足(M30)、1時間足(H1)、2時間足(H2)、3時間足(H3)、
4時間足(H4)、6時間足(H6)、8時間足(H8)、12時間足(H12)
日足(D1)、週足(W1)、月足(MN)

 

 

他社のチャートソフトで2分足や10分足を使っていたけど
MT4には無くて困っているという人にとって、
豊富な時間足を表示できるMT5はお勧めですね。

 

ツールバーに表示されている時間足はデフォルトの状態では
M1、M5、M15、M30、H1、H4、D1、W1、MNの9種類ですが、
お好みに応じて追加したり削除したりすることが出来ます。

 

 

20160405

 

 

ツールバー上で右クリックして「カスタマイズ」をクリックします。

 

 

20160405A

 

 

「ツールバーのカスタマイズ」ウィンドウ内で必要な時間足を追加したり、
不要な時間足を削除したりすることが出来ます。

 

また「上へ」、「下」ボタンを使えば簡単に並び替えをすることも出来ます。

 

20160405B

 

 

 

詳細なバックテスト結果が確認できる

 

MT5では詳細なバックテスト結果が表示されるので、
EA分析用ツールを用意しなくてもEAの特性を把握することが出来ます。

 

 

20160405F

 

 

ストラテジーテスターの「結果」タブを見ると、
MT4では表示されないリカバリーファクターシャープレシオなどが表示されています。

 

時間毎、曜日毎、月毎の損益がグラフで表示されるので
アノマリーを探すのにも便利です。

 

 

ストラテジーテスターレポートExcel形式で保存することも出来ます。

 

このレポートにはすべての取引結果が含まれているので、
エクセルを使って売買戦略を作成する人にとっては強い味方になると思います。

 

 

20160405G

 

 

 

マルチコアによる最適化の高速化

 

MT5ではEAを最適化する際にパソコンのCPUのパフォーマンス
フル活用することができる仕組みを備えています。

 

CPU とは「セントラル・プロセッシング・ユニット(中央処理装置)」のことで
処理や計算をつかさどるパソコンの頭脳となる部品です。

 

最近のCPUは2つ以上のプロセッサコア
1個のパッケージに集積したマルチコアになっており、
コアの数が多いほど性能がいいと言えます。

 

しかし、マルチコアのCPUを採用していてもアプリケーション側で
複数のコアを有効利用出来ないと処理速度は速くなりません。

 

 

MT4ではEAを最適化する時には一つのコアしか使用しません。

 

そのため最適化をするのに非常に時間がかかります。

 

 

一方のMT5は最適化の時にすべてのコアを使用することが出来るので
処理速度が非常に速くなります。

 

残念なことにこの機能は最適化の時だけに有効になるようで
バックテストの際はシングルコアでの動作になってしまいます。

 

EAの最適化中にストラテジーテスター
エージェントタブをクリックするとすべてのコアが働いているのがわかります。

 

 

20160405C

 

 

タスクマネージャーを見てもCPUの性能を100%使っているのがわかると思います。

 

 

20160405D

 

 

一方MT4で最適化した場合はCPUの性能の一部しか使いきれていません。

 

 

20160405E

 

 

これでは最適化の速度に差が出るのは当然と言ってもいいでしょう。

 

 

MT5での最適化はマルチコアを活用することで非常に高速なのですが、
実はさらに速度を上げる必殺技が存在しています。

 

 

それはローカルネットワーク上にある
他のパソコンのCPUパワーを利用するという荒技で
ローカルネットワークファームと呼ばれています。

 

 

利用するためにはネットワーク上のパソコンに
エージェントがインストールされている必要があります。

 

ローカルネットワークファームを利用することで
使用可能なコア数が増え最適化は飛躍的に速くなります。

 

CPUのクロック数を上げても最適化の処理速度が倍増することはありませんが、
ローカルネットワークファームで複数台のパソコンに演算処理をさせると
コア数が増えた分だけ処理速度が速くなったのを実感することができます。

 

 

さらに処理速度を追求したい場合には
クラウド上にあるパソコンのCPUの力を借りることも出来ます。

 

MQL5クラウドネットワークエージェントを使うことで、
ネットワーク上にある何千ものパソコンのCPUを使って
最適化することが可能になるのです。

 

 

MQL5クラウドネットワークの利用には
MQL5communityへの登録が必要になります。

 

MQL5クラウドネットワークはネットワーク上にある
第三者のパソコンのCPUを使用するため有料サービスとなっています。

 

 

「時は金なり」、最適化にかかる時間をお金で買おうというわけですね。

 

通常数日かかるような最適化が、数時間程度に短縮されるので
開発者にとっては魅力的な機能と言ってもいいでしょう。

 

 

 

テクニカル分析派やEA自作派のトレーダーにとっての最適なツール

 

チャート分析機能が充実しているMT5は
テクニカル分析派のトレーダーにお勧めできます。

 

MT4では表示できない時間足でのチャート分析が出来るのはポイント高いですね。

 

 

基本的な使い方はMT4とほとんど変わらないので、
MT5でチャート分析しながらMT4でトレードする
という使い方をしても操作方法で戸惑うことはないでしょう。

 

 

またMQL5でEAのプログラミングが出来る人にとっては、
最適化の速さレポートの充実度が魅力的に映るはずです。

 

4コア8スレッドの高性能なCPUを積んだパソコンを用意出来れば、
EA最適化にかかる時間はMT4で最適化した場合と比べて
かなり短縮できるはずです。

 

用途がマニアックなので万人向けとは言い難いのですが、
無料で使えるツールとしてはかなり優れているので
この機会にぜひ活用してみてください。

 

 

本日、解説させていただいた内容は意外とご存じでなかった方も多いことかと思います。

 

 

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