経済指標は値動きと関係の深いものだけをチェック!特に注目したいのは米国雇用統計。

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特に注目しておきたい経済指標

 

為替レートを動かす経済指標を挙げていくと、
米雇用統計、貿易収支、経常収支、生産者物価指数、
住宅着工件数、GDP、ISM製造業景況指数、インフレ率
などが挙げられますが、
その中でも特に注目しておきたいのが貿易収支と米雇用統計といってもいいでしょう。

 

こうした経済指標の発表により、為替レートが大きく動く時があるので、
FXをトレードする上で経済指標の発表日
常に知っておくべき重要なイベントといってもいいでしょう。

 

 

様々な経済指標があるわけですが、
指標によっては発表後に激しく反応することがあったり、
また控えめな反応しか見せなかったりするので
事前に特性を知っておくことは大切な事になります。

 

 

特に注目しておきたい指標は、「貿易収支」
「米国非農業部門の雇用者数」、「ISM製造業景況指数」です。

 

 

 

貿易収支は通貨の強さに反映される

 

貿易収支と経常収支は国の収支に関するものとして注目されている指標です。

 

特に「貿易収支」の結果は通貨の強さに
多大な影響を与えるので常に気にかけておく必要があります。

 

 

日本のように製品を製造し、海外に輸出することが得意な輸出大国では、
貿易収支は黒字になり自国通貨が買われやすい状況になります。

 

輸出が好調になればなるほど日本円が買われ
円高に振れやすい傾向があると言ってもいいでしょう。

 

 

日本のような輸出大国が円高に振れやすいのはどうしてなのでしょうか。

 

日本で輸出企業といえばまず思い浮かぶのが自動車メーカーのトヨタです。

 

燃費が良くて、価格もリーズナブル、さらに壊れにくく、
壊れても修理費が安いなどメリット満載なので海外では大変な人気を誇っています。

 

 

私はホンダ党でトヨタ車に乗った経験はないのですが、
もし海外の人に日本車を買いたいのだけど
オススメのメーカーを教えてくれと言われたら、
真っ先にトヨタの名前を出すと思います。

 

 

サウジアラビアの砂漠では、ランドクルーザーのシェアが異常に高く、
極限の環境でもトヨタ車の信頼性の高さを垣間見ることが出来ます。

 

発展途上国では20年以上前のランドクルーザーが、
元気に未舗装路を走り回っていますしね。

 

 

話を円高に戻しましょう。

 

 

トヨタは海外に数多くの車を販売しているので、ガッポガッポと儲かっています。

 

そして儲けたお金をドルとして手に入れるわけですが、
このままでは国内部品メーカーへの支払いや
従業員の給料の支払いをすることができません。

 

そのためトヨタはドルを円に交換する必要があるわけですね。

 

 

ここでドルを売って円を買うという為替が発生し、
そのため円高方向に振れやすいという結果になるのです。

 

日本にはトヨタ以外にも輸出で利益を上げている企業が数多くあるので、
為替相場に与える影響も大きいというわけです。

 

日本は輸出大国がゆえに円高になるという、
自らの首を締め付けている感を強く感じてしまうのですが、
程度の大小はあれども輸出メインの国はいずれ日本と同じ道をたどっていくのでしょう。

 

 

 

要注目の米国・雇用統計

 

重要経済指標といえば
米国・非農業部門雇用者数(NFP)を忘れるわけにいかないでしょう。

 

NFPはNon-farm payrollsの略で、海外のニュースサイトやフォーラムでも
頻繁に登場する名称なので覚えておいて損はないでしょう。

 

 

雇用統計は、毎月第一金曜日の22時30分(夏時間は21時30分)に発表される指標で
アメリカの景気の状態を判断するために欠かすことのできない指標となっています。

 

非農業部門雇用者数という名前からわかるように、
非農業部門に属している事業所の給与支払い帳簿から算出されている数値です。

 

 

米国の企業では業績の見通しにあわせて前倒しで人員の削減を行うことが多く、
景気よりも先に反応する指数だとみなされています。

 

また前月の数値が、その翌月の第一金曜日に発表されるため
速報性という意味でも重要性の高い指標となっています。

 

 

このように非常に注目度の高い経済指標であるため、
雇用統計発表直後は、為替レートが激しく動くことがあるので注意が必要です。

 

 

レートの動きが大きく値幅が取れるので、
FXトレーダーにとっては魅力的な指標であることは間違いないのですが、
インパクトの強い指標結果だった場合には相場が大きく荒れてしまいます。

 

スプレッドは極端に拡がるし、スリッページは発生しまくるので、
チャート上にAskとBidのラインを同時に表示しておかないと
自分の思惑とは違った価格でトレードしてしまう危険性もあります。

 

 

スプレッドをチャート画面上に表示できるカスタムインディケーターもあるので、
気になる人は使用を検討してみた方がいいでしょう。

 

しかし、雇用統計の発表直後にカスタムインディケーターを何個も表示させていると
トラブルを起こす場合があるので要注意です。

 

ほとんどのインディケーターは、ティックが動くたびに一回計算をしているので、
雇用統計発表直後の激しいティックデータの動き
パソコンのCPUに大きな負荷をかけてしまいます。

 

 

指標発表直後にパソコンの冷却ファンが
激しく回り出した経験を持つ人は多いと思いますが、
CPUの冷却が間に合わない場合はパソコンがフリーズしたり、
電源が落ちたりすることもあるのです。

 

もし、ポジションを持っている最中に
パソコンが落ちてしまったらと考えると恐ろしくなってしまいますね。

 

カスタムインディケーターの中には、複雑な計算をさせていたりするものも多く、
MT4標準のインディケーターよりも負荷がかかりやすいので要注意です。

 

タスクマネージャーで常にCPUの使用率を把握しておいた方がいいと思います。

 

 

 

ISM製造業景況指数

 

ISM製造業景況指数という経済指標は普段あまり耳にしない指標なのですが、
経済の状況を反映しているという点や、毎月第一営業日に発表されるという点で
注目されている指標の一つといってもいいでしょう。

 

ISM製造業景況指数はISM(全米供給管理協会)が、
全米の製造業約350社の販売担当役員にアンケート調査を行って発表している
企業の景況感を表す指標で、
景気転換点を探る指標として高い精度を持っています。

 

速報性が高く、今後の景気状況を予測するという意味からも
重要な指標といってもいいでしょう。

 

 

 

重要経済指標発表直後の動きに注目する

 

重要経済指標の結果が事前の予想値と乖離していた場合には、
相場は大きく反応します。

 

一瞬で100pips動いてしまうこともあるので、入りどころを間違えると厳しい戦いを強いられることになります。

 

 

スイスフランショックのような重大ニュースにより、
突発的に大きく動くこともありますが、
経済指標に関しては発表される日時が事前にわかっているので
十分に準備して臨みたいものです。

 

一番安全なのは、重要経済指標発表の日にはトレードしない
というルールを定めて厳守することです。

 

 

私の知り合いにも雇用統計の日にはチャートを開かないという人がいますが、
こうした自分なりのリスク管理をしている人は
トレーダーとして長く生き残れる可能性が高いのかもしれません。

 

 

しかしその一方で、雇用統計の前の日から
トレードしたくてウズウズしている私のようなダメな人間もいるわけです。

 

雇用統計の発表直後でも冷静にトレードできる精神力を持っている人が、
スプレッドが拡がらず、
約定力の高いブローカーでトレードしているのなら格好がいいんですけどね。

 

 

6月3日(金)に発表された米国雇用統計では、
ユーロドルが1分足で70pips程度動きましたが、
その後は動いた方向へゆっくりと進んでいきました。

 

後からチャートを眺めると慌ててエントリーしなくても
十分に利益を上げられたということが分かりますが、
実際チャートが激しく動いていると冷静な判断が出来ないのが現状です。

 

 

20160608A

 

 

そんなことを何度も体験してきたので、
最近は雇用統計などの重要指標で裁量トレードをすることはほとんどなくなりました。

 

その代わり重要経済指標の発表がある時でも、EAを止めないで使うようにしています。

 

 

例えば、指定時間に逆指値を入れて指標発表直後のブレークアウトを狙ったEAや、
1分足で50pips動いたらエントリーするなどの
相場のモメンタムを捉えるロジックを採用したEAは結構機能してくれています。

 

 

指定時間に逆指値を入れるEAは、
経済指標が発表される日にだけ動かすので完全自動売買というわけにはいきませんが、
1分足でモメンタムを捉えるEAは動かしっぱなしでいいので楽ちんです。

 

 

 

お勧めの経済指標カレンダー

 

経済指標のカレンダーはブローカーで用意してくれているので、
それをチェックしておけば発表日時を事前に知ることが出来ます。

 

しかし、より詳細な情報を知りたい場合には
多少物足りなさを覚えてしまうかもしれません。

 

 

そんな時に便利なのが「Forex Factory」という
海外サイトで提供しているカレンダーです。

 

 

以下の画像は先週の米国雇用統計が発表された6月3日(金)のカレンダーです。

 

赤い四角で囲まれた部分が非農業部門雇用者数変化で、
Actualが今回の発表値、Forecastは予想値、Previousは前回の修正値になります。

 

タイムゾーンは自由に設定することが出来るので、
事前にGMT+9:00に変更しておきましょう。

 

 

20160608B

 

 

便利なのは過去の発表値をグラフで表示することが出来ることです。

 

 

右端のグラフのアイコンをクリックすると以下のようなグラフが表示されます。

 

青い棒グラフが発表値で、黄色の折れ線グラフが事前の予想値になります。

 

 

20160608C

 

 

今回は事前の予想よりも悪かった上に、
前回の値から大きく下がったためドルが売られたのではないかと考えられます。

 

このグラフを指標発表前にチェックしておけば、
発表結果に応じてどう対応すればいいのかを事前に準備しておくのに役立ちます。

 

 

さらにこのチャートはフィルター機能があるので、
自分がトレードしている通貨ペアに関係した指標だけを表示することも出来ます。

 

また相場へのインパクトが高い指標だけを表示させることも可能なので、
まさに痒い所に手の届くカレンダーといってもいいでしょう。

 

 

20160608D

 

 

フィルター機能を使うことで、インパクトのある指標抽出しておけば
値動きの大きい時間帯を狙ってアクティブにトレードすることができますし、
慎重派の人にとってはノートレードを選択するための判断材料になります。

 

経済指標は相場を大きく動かすことが多いので、
こうしたツールも活用して上手に付き合っていきたいですね。

 

 

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