主婦トレーダー 池辺雪子氏について

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ミセス・ワタナベに代表される主婦トレーダー

 

日本の個人投資家は為替相場を動かすほどのポテンシャル持っていると
海外からも注目されている存在です。

 

この個人投資家の中には主婦のトレーダーも多く、
海外ではミセス・ワタナベという呼び名で知られていました。

 

 

2000年から2007年の円安の局面では、円を売って高金利通貨を買う
キャリートレードが盛んに行われていました。

 

このキャリートレードの流れにのってトレードしていたのが日本の主婦トレーダー達
いわゆるミセス・ワタナベだったわけですね。

 

 

しかし、なんでワタナベなんだろうという素朴な疑問が湧いてきたのは
私だけではないでしょう。

 

ミセス・サトウやミセス・スズキでもいいんじゃない?

 

実はワタナベは海外では代表的な姓であり、
1990年代にはすでにイギリスの経済紙「エコノミスト
ミセス・ワタナベという呼び名が使われていました。

 

他にもキモノ・トレーダーなどと呼ばれることもありますが、
こちらの方がしっくりくるかもしれないですね。

 

まあ、スシ・トレーダーやテンプラ・トレーダーではピンとこないですしね。

 

 

このような呼称ができるくらい日本の個人トレーダーには
資金力があると思われていたということなのでしょう。

 

ミセス・ワタナベのドル買い円売りの動きを利用してトレードする手法が
編み出されるくらいですからね。

 

 

 

4億円の脱税事件で有名になった主婦トレーダー

 

さて、このミセス・ワタナベの中でも別格と言える人物がいます。

 

有名になったきっかけが、巨額の脱税事件だったというのもプレミアム感を感じますね。

 

 

自称で4億円稼いだという人はよくみかけるのですが、
脱税事件ともなると税務署が稼いだことを証明してくれているのと同じことですからね。

 

4億円稼いだミセス・ワタナベの正体は、
東京都世田谷区に住む主婦トレーダーの池辺雪子氏です。

 

 

池辺雪子氏は、FXなどで4億7千万円の利益を得たのに申告しなかったため、
2007年に東京国税局に告発されています。

 

脱税額は1億3000万円と高額で、主婦の脱税事件としては破格の額だったため
当時は数多くのニュース番組で取り上げていたのを
覚えている人も多いのではないでしょうか。

 

普通の主婦が4億円以上の利益を上げたことで世間は大騒ぎです。

 

 

巨額脱税に対しての非難の声はもちろんあったのですが、
それ以上に人々が関心を持ったのは
なぜ普通の主婦が4億円もの大金を稼ぎ出すことができたのかということでした。

 

巷の奥様方が、FXトレードってそんなに儲かるの?
儲かるなら私もやろうかしらと思ったとしても不思議ではありません。

 

この事件はミセス・ワタナベをさらに増やしていく起爆剤になったのです。

 

 

池辺雪子氏はズブの素人というわけではなく、
若いころから株や商品先物などを学んでいたため、
投資に関する知識は普通の主婦よりもはるかに豊富でした。

 

そんな知識豊富な主婦がFXに手を出し始めたのが、2000年からです。

 

日本で個人によるFX取引が解禁された時期を考えると、
かなりのアーリーアダプターっぷりを見せてくれています。

 

2007年の春に脱税容疑で起訴され、執行猶予刑が確定したのがその年の夏でした。

 

 

巨額の脱税事件だけに追徴課税や罰金の金額もビッグで、
所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金を合計すると約5億円にものぼりました。

 

しかし、驚くべきことに池辺雪子氏は即金でこれらの支払いをしてしまったそうです。

 

 

脱税に至るまでに、いかに池辺雪子氏が稼ぎまくっていたかを
うかがい知ることのできるエピソードですね。

 

現在は公式サイトを開設しており、
投資、納税についての各種セミナーや本を出版するなどの
啓蒙活動を盛んに行っています。

 

 

 

やっぱり気になるのは8億円を稼ぎ出したトレード手法

 

池辺雪子氏のプロフィールを見ると、
やはり普通の主婦とは一味違うなと感じさせる人生を歩んできています。

 

いくら考えても、普通の主婦が若いころから
投資の勉強をしている姿を想像することなんて出来ないですもんね。

 

それだけに池辺雪子氏のトレード手法は、
たまたま当時の円安にのっただけのラッキーなトレードだったとは思えないのです。

 

きっと彼女のトレードには、巨額の利益を上げる理由や裏付けがあるはずなのです。

 

 

彼女がFXをスタートさせてからの7年間でのトータル利益は
なんと8億3000万円だったそうです。

 

FXでは単年で大儲けするのはもちろんのこと、生き残ることすら難しいというのに、
7年間も生き残った上に8億円以上も稼ぎ出していることに改めて驚かされます。

 

このように長期間コンスタントに勝ち続ける手法として思いつくのが、
アノマリーを利用したトレード手法です。

 

 

相場の癖さえ掴んでおけば、テクニカル分析に頼らなくても勝ててしまうのですが、
長期間通用するアノマリーを個人トレーダーレベルで見つけるのは大変困難なことです。

 

みずほ証券によるジェイコム株誤発注事件で一躍脚光を浴びたB・N・F氏のように、
相場に関する鋭い洞察力を身に付けているのでしょうかね。

 

 

 

え?池辺雪子氏のメインの手法はキャリートレード

 

池辺雪子氏は2000年からFXを始めましたが、
そのきっかけは証券会社から勧められたから仕方なく始めたという
かなり消極的な理由だったのが印象的です。

 

7年間で8億円も稼ぐ人だから積極的にFXにまで手を伸ばしてきたのかと思いきや、
証券会社に勧められて始めたと聞いてしまうとちょっとガッカリですね。

 

 

これでは普通の主婦が電話勧誘で投資を始めるのとあまり変わりないような気がします。

 

では普通の主婦と一体何が違っていたのでしょうか?

 

 

実は池辺雪子氏のトレード手法のメインとなっているのはキャリートレードです。

 

通貨間の金利差を利用し、日々確実に得られる金利と
あわよくばキャピタルゲインの両方を確保しようというトレード手法です。

 

 

しかし、キャリートレードと言えばFXの初心者でも知っている人は多いし、
普通の主婦でもやっている人がゴロゴロといる悪く言えばありふれた手法なのです。

 

普通の主婦が稼げなくて池辺雪子氏が稼げた秘密を探る前に
当時のキャリートレードについてちょっと振り返ってみましょう。

 

 

 

当時キャリートレードは最強だった

 

高金利通貨がゴロゴロと転がっていた2000年代は、
低金利の通貨との金利差を利用してスワップ益を得ようとする
キャリートレードが盛んに行われていました。

 

特に日本の政策金利は他国に比べると著しく低かった(一時はゼロ金利)ので、
キャリートレードにはドル円やクロス円が利用されることが多かったのが特徴的でした。

 

 

訳のわからない通貨同士の組み合わせよりも、
円が絡んでいる通貨のほうが日本人にとってはとっつきやすく、
キャリートレードは瞬く間に広がっていき、
スワップ派という呼び名まで生まれたほど浸透していくのです。

 

 

また、当時のFX取引会社で取り扱っていた通貨は円がらみのものが多かったのも、
キャリートレードが普及する一因にもなりました。

 

いくら金利差があっても、あまりよく知らない国同士の通貨ペアよりも
自国通貨とのペアのほうが安心感がありますからね。

 

 

当時の人気通貨ペアはドル円、ポンド円、豪ドル円、ユーロ円などで、
超高金利通貨だったランド円も徐々に人気を上げていきました。

 

こうしたキャリートレードの人気は2000年から続いていきましたが、
日本の政策金利が上昇し、他国の政策金利が下がることで金利差が徐々に縮小してくると
キャリートレードを手じまいする動きが徐々に顕著になっていきました。

 

 

2007年のサブプライムローン問題、2008年のリーマン・ショックにより、
金利差の縮小はますます広がるとともにリスク回避のための円買いも進んだため
多くの投資家にとってキャリートレードは
魅力的な手法ではなくなってしまったわけです。

 

 

 

池辺雪子氏のトレード期間はまさにキャリートレード全盛期

 

キャリートレードを振り返ってみて気づかれた方も多いのではないでしょうか?

 

そうです、池辺雪子氏がトレードした期間はまさにキャリートレードの全盛期であり、
猫も杓子もキャリートレードに走っていた2007年に脱税により告発されたのです。

 

 

池辺雪子氏が当時運用していた通貨ペアの一つであるユーロ円のチャートを見ると、
いかにいいところで仕込んで売り抜けていったのかがわかると思います。

 

これを運が良かったという言葉で片づけてしまうのは簡単なことなのですが、
運だけではこれだけの運用益を上げることは出来ないはずです。

 

 

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チャートを見てもわかると思いますが、
基本的にはきれいな上昇カーブを描いているユーロ円のチャートですが、
実は一時的に急落している期間が何か所もあります。

 

この期間ではかなりドローダウンしているはずなのですが、
ここで即退場という事態に陥っているわけではありません。

 

 

当時のSNSと言えばmixiが盛んで、
mixi内にはFX関連のコミュニティが数多く立ち上げられていました。

 

コミュニティには、相場の急変でキャリートレードのポジションが
マージンコールにかかったり、強制ロスカットを受けたりしたなどと
書き込みする人が多かったことを考えると、7年間の長い期間退場しなかった池辺雪子氏は
運以外の何かを持っていたとしか考えられません。

 

 

その答えは資金管理にありました。

 

池辺雪子氏のトレードでは基本的にロスカットはしていません。

 

その代わりに相場が下がっても破たんしないような資金管理を徹底していたのです。

 

なんだ、こんなことかよと思うかもしれませんが実は非常に面白い考え方だと思います。

 

 

ストップロスにかからなければ負けが確定することはありません。

 

含み損は膨らみますが、
その間にスワップ益がコツコツと含み損の穴埋めをしようと頑張ってくれます。

 

普通は証拠金が含み損をカバーしきれなくなり破たんしてしまうのですが、
資金管理がしっかりとしていれば破綻することはないわけです。

 

 

キャリートレードの一番おいしい時期にトレードを開始出来たことと、
資金管理の相乗効果により巨額の利益を得ることができたわけですね。

 

2007年に脱税で告発されなかった場合どうなっていたのかを考えると、
この手法は個人的にはまったくお勧め出来ないし、
今後の相場に適用するのはかなり厳しいとは思います。

 

ただ、考え方の一部は参考になるので、テクニカル分析と組み合わせて
キャピタルゲインスワップ益を狙う戦略などを構築するのに役立つかもしれません。

 

 

 

テクニカル分析を活用したトレードも

 

池辺雪子氏のメインのトレード手法はキャリートレードでしたが、
それ以外にもテクニカル分析を用いたトレードも行っていました。

 

使用しているテクニカル分析は一般的なRSIなのですが、
使い方がちょっと変わっています。

 

 

RSIはオシレーター系なので通常は売られすぎで買い、
買われすぎで売るという単純な逆張りで使用します。

 

一方池辺雪子氏の手法では、期間13と期間42の2本のRSIを同時に表示するという
変わったセットアップをしています。

 

 

この2本のRSIのかい離をチェックしているようで、期間13のRSIが大きく下がって、
期間42のRSIより20ポイント以上低くなったところで買い注文を入れるそうです。

 

1~2円の利益が出たら、利益確定するという
逆張りスイングトレード的な使用方法ですね。

 

 

キャリートレードに加えて
こうした柔軟性のあるテクニカル手法を併用しているところに、
池辺雪子氏が長い間生き残れた理由があるのかもしれませんね。

 

この手法はEA化することが簡単そうなので、MT4で自動売買することも出来そうですね。

 

 

池辺雪子氏のトレード手法は、
現時点ではすべてをそっくりそのまま参考にすることは出来ませんが、
部分的に参考になるところがいくつかあります。

 

時代の流れに乗ることの出来た「強運」「投資に関する知識」
うまくマッチして8億円もの利益を上げることが出来たのでしょう。

 

 

有名なトレーダーだからといって手法を全て鵜呑みにするのではなく
相場背景も踏まえて検証することによって何故その時にそのトレーダーが勝てたのか?
とった理由が明確に見えてくるようになります。

 

トレードに正解というものは存在しませんが、
限りなく正解に近づけるためにも自身のスキルアップを怠らない事は大切ですので
池辺雪子氏のような先輩トレーダーの技を積極的に盗んでいきたいものですね。

 

 

引き続き、FXトレード研究会(FTK)で取り上げてほしい
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