EA選びはポートフォリオ前提で

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ドル円の日足チャートが面白い

 

アベノミクスの効果で一時は125円台まで上昇したドル円ですが、
その後はじわじわと下落を続けており、
最近では100円台前半で推移しています。

 

ドル円の日足チャートを見てみることにしましょう。

 

 

20160904a

 

 

2015年の6月に125円台に乗ったのをピークに
徐々に下がってきているのがわかるかと思います。

 

ドル円にとって100円は非常に強いサポートラインとなるのですが、
イギリスのEU離脱に関する国民投票の結果を受け、
一時はオーバーシュート気味に98円台まで突入してしまいます。

 

 

その後反発し一時は107円台まで回復するのですが、
下落トレンドを抜け出すほどの上昇力はなく
再び100円付近を目指すような動きをしました。

 

ドル円の日足チャートは下降チャネルを形成しており、絶賛下降トレンド継続中です。

 

 

ドル円の日足チャートに下降チャネルライン
100円のサポートラインを引いてみたのが下の画像です。

 

 

20160904b

 

 

現在の価格がちょうど下降チャネルのアッパーライン(青いライン)付近
位置しているのが確認できるのではないかと思います。

 

このラインで価格が跳ね返されるのか、
それともブレイクしていくのかは今後のドル円の行方を占う意味でも
非常に興味深いポイントです。

 

 

実はこの付近は下降チャネルのアッパーライン付近であるとともに、
一目均衡表の雲(選考スパン)の位置とも重なるので
より注目度の高いポイントになると思います。

 

 

20160904c

 

 

一目均衡表の雲は抵抗帯として意識されやすいポイントでもあるので、
価格がに沿って進んでいくようだと
まだまだ下降トレンドから抜け出すことは難しいと思っていいでしょう。

 

一方で一目均衡表の転換線と基準線の関係を見ると
いまにも好転しそうな位置関係にあることがわかると思います。

 

 

転換線と基準線の関係が好転してくるようだと、
雲の薄いところを抜けるとともに下降チャネルをブレイクすることが出来そうです。

 

ブレイクできなかった場合は、非常にわかりやすい100円という目標があるので
ファンダメンタルズがきっかけを与えれば、
一気に100円に向かうこともあるかもしれません。

 

 

ドル円の日足チャートに2つのテクニカル分析を表示しただけですが、
簡単なトレードプランを立てるのにはこれで十分です。

 

1分足や5分足でトレードしていると
オシレーターの数値ばかりが気になってしまいますが、
日足チャートだと相場を俯瞰(ふかん)で見ることが出来ます。

 

 

大まかなトレンドが確認できるので、ゆったりとしたトレードが可能で
トレード時間を捻出できない多忙な会社員の方にはぜひお勧めしたいですね。

 

 

 

下降チャネルとサポートラインとの狭間に揺れるドル円

 

きれいな下降チャネルを描きながら下落していくドル円ですが、
行きつく先には100円という超強力なサポートラインが待ち構えています。

 

この2本のラインだけに注目してみると
ディセンディング・トライアングル(Descending Triangle)
描いているのがわかると思います。

 

 

20160904d

 

 

ディセンディング・トライアングルは下降トライアングルともいわれており、
下値が一定ラインで跳ね返されながら、
上値を切り下げていくチャートパターンのことです。

 

 

青いラインオレンジのラインがどんどん近づいて最終的には交差します。

 

交差するポイントまで持ち合いが続くこともありますが、
おそらく交差するまでにはどちらかにブレイクするはずです。

 

 

交差するのは1か月半後なのでそれまでにドル円の方向性が見えてくるのか、
それとも新たなレンジ相場を形成し始めるのか、
ここしばらくはドル円相場から目が離せない日々が続きますね。

 

 

 

このような相場で調子のいいEA

 

今のドル円のように一方向に収束していくような相場が続くと
徐々に調子を落としてくるのがトレンド系のEAです。

 

トレンド系のEAは「トレンドが発生してなんぼ」のロジックを採用しているので、
トレンドが継続しないとかなり厳しい戦いを強いられてしまうわけですね。

 

 

EA開発者たちもそんなことは百も承知の上でロジックを組み立ててはいるのですが、
方向性のない相場を完全に見抜くことは現在の技術では難しいことなのでしょう。

 

自分がEA開発者の立場でトレンド系のEAを作成するとしたら、
レンジ相場で勝つことは潔くあきらめます。

 

 

十分な値幅が取れない中で勝つのは非常に難しいことなのです。

 

利益はトレンドが発生した時に大きく取れればいいと割り切ることが必要です。

 

長い目で見ればそうすることで収支がプラスになる可能性が高いですからね。

 

 

だからと言って、レンジ相場に手をこまねいて見ているだけではありません。

 

出来るだけ負けを減らしたい、負けたとしても小さく負けておきたいと考えるわけです。

 

 

そのためには何が必要なのか?

 

それは開発者によって違うし、腕の見せ所でもあるわけです。

 

 

自分だったら、ブレイクイーブンを活用することで
負けを減らすようなロジックを組みます。

 

エントリーした後に一定レベルまでは順行したのだけれど、
それ以上は伸びずに逆行してしまったということはよくありがちな状況なのですが、
そこでブレイクイーブンまでストップロスを移動させておけば
とりあえず負けを防ぐことは出来るわけです。

 

 

もう少し、積極的にいきたいのならトレイリングストップも併用したいところです。

 

トレイリングストップの設定は
あまりタイトにしすぎるとすぐに引っかかってしまうので、
余裕を持たせた設定にしておいた方がいいと思います。

 

 

利益確定の主役はあくまでもテイクプロフィットにまかせて、
補助的にトレイリングストップを使用するというイメージですね。

 

このような考え方で作成したトレンド系のEAの収益曲線は、
以下の画像のようになります。

 

 

20160904e

 

 

収益曲線が水平になっている部分が多く、
ブレイクイーブンで終わっているトレードの多さに驚かされますね。

 

トレンド系のEAの割りにドローダウンが小さいので、
初心者でもおそらく扱いやすいはずです。

 

 

このようなEAは、動きのはっきりしない相場が非常に苦手なので
最近の成績は良くないですね。

 

しかし、ひとたび方向性が定まったときには大きく稼いでくるのは間違いありません。

 

 

 

トレンド系EAの調子が芳しくない場合

 

トレンド系EAの調子が芳しくない時は大抵の場合、
スキャルピングEAの調子がいいようです。

 

スキャルピングEAの一般的なセッティングとして、
損大利小というスタンダードな設定があります。

 

小さくコツコツ稼いでいくのですが、負ける時は大きくドッカーンと負けてしまうので
「コツコツドカーン」型のEAなどと言われています。

 

 

2008年以前に流行っていたユーロドル用のスキャルピングEA
テイクプロフィット9pipsに対して、
ストップロスが54pipsという典型的なコツコツドカーン型でした。

 

一回負けると、負けを取り戻すために6連勝しなくてはならないので
高勝率が求められたのは言うまでもありません。

 

こうしたEAは勝率は90%超えはざらでしたし、
90%超えないようなEAは使い物にならなかったわけです。

 

 

コツコツドカーン型のEAが下火になってくると、
アジア時間早朝の穏やかな時間帯に稼働させるスキャルピングEAが登場してきます。

 

このタイプのEAは2007年くらいから海外のフォーラムでは話題になっていました。

 

スレッド参加者の意見の大多数は、ブローカーにBANされるので
デモ口座では機能するけどライブ口座では機能しないというものでした。

 

 

しかし、実際にライブ口座で稼働させてみたら
ブローカー側の対応が意外とぬるくて
数年は機能してしまうという予想外の結果だったのです。

 

結局はスプレッドを拡げられたり、
約定時間を調整されたりして対策されてしまったのですが、
このEAはトレーダーたちに多くの利益をもたらしてくれました。

 

 

現在のスキャルピングEAは様々な手法を組み合わせて作られた
複合タイプに進化しているのですが、
基本的なセッティングは損大利小のものが大半なので
大相場は苦手というものが多いのです。

 

そうしたスキャルピングEAにとって最近の相場は稼ぐ絶好のチャンスであり、
ここで稼げないようなEAにはスキャルピングEA失格の烙印
押すような人もいるかもしれません。

 

 

 

性格の違うEAでポートフォリオを組むことでトータルのドローダウンを軽減

 

トレンド系EA、スキャルピングEAにはそれぞれ苦手な相場と得意な相場があります。

 

しかし、タイムフィルター、トレンドフィルター、
ボラティリティフィルター
などを駆使しても
苦手な相場を避けることは非常に難しくドローダウンは避けられない状況です。

 

 

トレンド相場、レンジ相場というものは交互にやってくるもので
永遠に続くものではありません。

 

そう考えると得意な相場でいかに多くの利益をあげるのか
ということにスポットを当てた方がいいのかもしれません。

 

 

トレンド系EAの苦手なレンジ相場の時には、
スキャルピングEAが損失を補てんしながら利益を重ねていき、
トレンド相場の場合はトレンド系EAが一気に大きく稼ぐことで
スキャルピングEAのドローダウンをカバーすると考えるといいのではないのでしょうか。

 

同時に複数のEAを稼働させるときは同じタイプのEAではなく、
逆の特性を持ったEAを組み合わせて
ポートフォリオを組むことが重要になってくるというわけですね。

 

 

最近では一つのEAなのにトレンド系のロジック
スキャルピング系のロジックを組み合わせることで
ドローダウンを軽減しているハイブリッド型のEAも登場しています。

 

こうしたEAを活用することも有効だと思います。

 

 

相場の状況の変化に即対応できるEAを探し出すことは難しいのですが、
ポートフォリオを組むことが前提ならば、EAの選択肢は非常に広くなります。

 

どんな相場にも適応するEAを探しだすのは至難の業なのですが、
ポートフォリオを組むことはそれほど難しいことではありません。

 

トータルドローダウンが小さく、
資金効率の高いEA選びが自動売買で稼ぐ一番の近道なのかもしれませんね。

 

 

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