オシレーター系逆張り指標の代表格RSIの使い方と、順張り指標としての応用法を紹介

 

著名アナリストが考案したRSI(Relative Strength index)

 

RSIは、米国のアナリストJohn Welles Wilder.Jr(J.W.ワイルダー)氏が考案した、
オシレーター系のテクニカル指標です。

 

J.W.ワイルダー氏と言えば、他にもADXやパラボリックなど考案した著名アナリストです。

 

表題にもありますが、RSIは、Relative Strength indexの略で、
日本語では「相対力指数」と呼ばれます。

 

一定期間の相場における「値上がり幅」「値下がり幅」を基に、
現在の相場の相対的な強弱を表す指標です。

 

 

 

 

サブチャートに表示されているラインがRSIで、
このラインが相場に対して上下振り子のように動きます。

 

RSIの数値は100分割(%)となっており、その範囲内に収まります。

 

 

 

RSIの計算式

 

RSIの計算式は次の通りです。

 

 

RS =(N期間の終値の上昇幅の平均)÷(N期間の終値の下落幅の平均)
RSI = 100 – (100 ÷ (RS+1))

 

 

Nは設定可能なパラメーターになり、初期設定は一般的には14となっています。

 

14となっている理由は、考案者のJ.W.ワイルダー氏本人が推奨していることからです。

 

 

この計算式はJ.W.ワイルダーオリジナルのもので、
このRSIをベースにしたカトラー氏考案のRSI計算式も存在します。

 

その計算式では、平均の部分が合計となり、
本質的には同じような動きとなります。

 

 

 

RSIを活用した一般的な逆張り手法

 

RSIは、一定期間の価格変動に対する相対的な上昇値動きの割合を算出してもので、
その値から「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」と捉え、
逆張りトレードを仕掛ける方法になります。

 

このような使われ方が、最も一般的なRSIの使い方かと思います。

 

・RSIの値が70(80)%以上で買われすぎ
・RSIの値が30(20)%以下で売られすぎ

 

 

 

一般的にRSIは、このような逆張り手法として広く認知されています。

 

しかし、単純にこのような手法のみで勝ち続けることは難しいかと思います。

 

 

何故なら、このような逆張り手法は、レンジ相場ではある程度有効なのですが
トレンドが発生すると、指標は上下に張り付いたり、
連続して一方行に傾いてしまうという動き方が多く見られます。

 

これは、オシレータ系指標全般的に言えることで、
「逆張り指標」として使用する上では十分注意が必要です。

 

 

 

 

 

相場の勢いで判断するトレンドフォローへの応用法

 

前述したように、RSIは一定期間の価格変動に対する相対的な上昇値の割合から、
「買われ過ぎ」「売られる過ぎ」と捉える逆張り手法が一般的ですが、
それとは逆の捉え方をした場合、

 

つまり、トレンドフォロー手法としても応用することができます。

 

 

RSIは文字通り、相場の勢いを捉えるテクニカル指標です。

 

ということは、50%以上であれば上昇傾向、
50%以下であれば下落傾向
ということになります。

 

 

素直にこの勢いに乗っていくという考えであれば、

 

・RSIの値が50%を上回ったら買い
・RSIの値が50%を下回ったら売り

 

といった捉え方もできるわけです。

 

どちらが正しいといったものではありませんが、
RSIでは相反する捉え方をすることができるわけですね。

 

 

 

考案者お墨付き!RSIのダイバージェンスは転換の強力なサイン

 

オシレータ系指標の活用法として、代表的なものはダイバージェンスになります。

 

ダイバージェンスはレートとテクニカルの逆行現象のことで、
それは、「トレンド終焉、転換」を示唆するものとして捉えられます。

 

 

 

 

チャートの高値が切り上げているのに対し、
同期間のRSIは高値を切り下げています。

 

これが逆行現象、ダイバージェンスのことで、トレンドの終焉、転換点のサインです。

 

そしてその後、相場は転換していることが確認できます。
※安値の際は、この逆の状態になります。

 

 

オシレーター系指標の活用方法として、
必ずと言っていいほど使われているのがこのダイバージェンスの判断になります。

 

トレンド転換を示す指標、ダイバージェンスのメカニズムを徹底解説

 

 

一般的に、オシレーター系指標は全般的に、
ダイバージェンス指標としても応用されているわけですが、
多くの場合、そういった使い方を提唱している考案者はほぼいません。

 

 

しかし、RSIに関しては例外です。

 

RSI考案者であるJ.W.ワイルダー氏本人が、
「相場転換を示す非常に強力なサインである」と断言しています。

 

 

もちろん、必ずしもダイバージェンス後に転換するといったものではありませんが、
相場の高値圏、安値圏ではこのような状態が多く見られます。

 

RSIを活用する場合には、
このダイバージェンスの出現を注意深く観察していくとよいでしょう。

 

 

 

RSIはチャート全体を見る上での1つの指標、観点に過ぎない

 

このように、RSIは、相場の相対的な強弱を表す指標です。

 

トレードへの応用方法は様々ですが、勘違いしてはいけないのが、
RSIは、チャート全体を見る上での1つの指標、観点にしか
過ぎないということ。

 

 

例えば、車を運転する場合でも、
前だけ見ていれば良いかというとそうではありませんよね?

 

サイドミラーやバックミラー、スピードメーターなどのメーター類、
カーナビなど、様々なツールを同時に確認する必要があります。

 

これと同じように、トレードを行う上でも、
ローソク足や相場の流れ、相場の勢い、出来高など…

 

様々な要素を確認する必要があるのです。

 

 

このように相場も車の運転と同じで、
RSIだけを見ていればいいというわけではありません。

 

車を前進させる際に前方に意識が偏り、
バックの際は再度ミラーやバックミラーに意識を偏らせるように、
トレンド相場、レンジ相場、それぞれの状況に合わせ、
RSIも上手く活用していく必要があるというわけですね。

 

 

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