【チャートのトレンド分析】チャネルラインの引き方と捉え方
チャネルラインはトレンドラインと平行に引いたレジスタンスライン
今日はチャネルラインについてのお話をしたいと思います。
チャネルラインのチャネル(channel)という言葉の意味には、
テレビの周波数帯域や局以外にも、
経路、伝送路、水路、流れ、運河、道筋やルート等といった意味も持ち合わせています。
相場においてのチャネルも、チャートを周波数のように捉え適用されており、
その帯域にラインを引いた形が、「チャネルライン」になります。
相場は波形を描きながら形成されていきますが、
そこにラインを引くことで規則性を見つけ出そうと考えられたのがチャネルラインです。
そしてチ、チャネルラインの傾向として、以下の性質が挙げられます。
・チャネルラインが長い程、支持、抵抗の力が強く、
ブレイク後の反動も大きくなりやすい
・チャネルラインの角度が急な程、トレンドの力が強いが短くなる
・チャネルラインの値幅が広い程、そのトレンドは強く長く続く
チャネルラインの引き方
まずはチャートにトレンドラインを引きます。
トレンドラインは、
ローソク足の安値同士や高値同士を直線で結んだラインのことですね。
そして、そのトレンドラインと平行のラインを、反対側の高安値に合わせて引きます。
チャネルラインを引くための要点としてはこれだけです。
※上下のラインをサポートライン、レジスタンスラインとも言い、
中央にラインを引くこともあり、中央線と呼びます。
また、チャネルラインは相場が、
これらに支持されていると仮定した考えに基づいています。
チャネルラインはローソク足のヒゲか実態、どちらで引くのが正しいのか
不規則とされる相場の波形に対して、
常にピッタリと合うチャネルラインが引けることはそう多くはありません。
波形に対して、片側のみとなるトレンドラインですら
複数回ラインに接触することで、若干はみ出ることがあったりする中、
上下双方でピッタリと合うことは、確率としては、なおさら低くなってきます。
ここで特に問題になってくるのが、
ローソク足のヒゲと実体どちらで引くのが正しいのか?といった問題です。
結論からいうと、これに正解はありません。
トレーダーの中では、ヒゲの頂点同士で結ぶ人もいますし、
ヒゲは無視してもよいという人、
もしくは、実態も含め少々はみ出るくらいは良いとする人も様々です。
これを決める際に一番重要なのは、
“そのチャネルラインを使ってどうトレードするか”をしっかりと決め、
その上で自身のトレードに合った引き方をすることです。
そもそも、トレード手法が定まっていない状態で、
このチャネルラインを引いてしまうと、
チャネルラインそのものを引いている意味がなくなってしまい、
むしろトレードの妨げにすらなってしまいます。
例えば、チャネルラインの反発でエントリーを行う場合や、
ラインブレイクを狙っていく場合では、ヒゲか実態かによって
エントリータイミング、損切りポイントが入れ替わってしまいます。
こういった状況の中、
チャネルラインを活用してどのようなトレードをするか決めた上で、
ラインの引き方にルールを定義しないと、
時にはヒゲ、時には実態となっていまい、
チャネルラインに振り回されてしまう結果になり、
有効に活用していくことが出来なくなってしまうのです。
トレンドの環境認識としての活用法
チャネルラインの引き方の、「ヒゲ実態問題」は別として、
チャネルラインを使っていく上で共通の認識が出来る要素としては、
トレンドの環境認識として活用する方法です。
あくまでもこれは、一つの目安として考えるものですが、
相場がそのチャネルの中で推移していく、と仮定した考え方です。
この方法を使うことで、現在の相場が、
“どちらの方向に”
“どのくらいのボラティリティ(値幅)で”
推移しているかを把握することが出来ます。
このような使い方をする場合は、
ヒゲや実態の基準はあまり気にすることなく、
あくまでも環境認識として活用が出来ると思います。
例えば、これはEUR/USDのチャートになりますが、
日足では下降トレンドが終了し、現在は上昇トレンドとなっていると認識できます。
しかし、週足で見てみると、長い下降トレンドにいることが確認できます。
このような認識を行うことによって、
あくまでも全体としての下降トレンドということで、
日足での上昇チャネル内では、サポートライン反発での買いエントリーは行わず、
レジスタンスライン反発の売りのみと決め、
大局の中でのトレンドフォローを行っていくことが可能になるわけですね。
チャネルラインを活用した優位性の高いポイントでのエントリー手法
多くの人が活用しているチャネルラインですが、
これを活用したトレード方法は様々です。
ここでは、チャネルラインの性質から、
優位性が高いポイントでエントリーを行っていく方法をご紹介します。
冒頭でも解説した通り、
チャネルラインは相場の規則性を見つけ出そうというもので、
そのチャネル内で相場が動いていくという仮定をした分析法です。
もちろん、ラインを割っていくことも想定されることですが、
あくまでも基本としては、
サポートライン、レジスタンスラインでの反発を考えます。
そして、複数のチャネルラインを活用することにより、
より優位性の高いポイントを判断します。
マルチタイムフレーム分析とも共通する考えになりますが、
長期足から順に、引けるチャネルラインをすべて引いていきます。
そうすると、チャネルライン同士が重なるポイントが出てきます。
【↑画像クリックで拡大できます】
このように複数のチャネルラインを引くことによって、
サポートラインやレジスタンスラインが重なったポイントに相場が来た際に、
そのチャネルラインを見ている多くのトレーダーが、反発を考えることになるので
より優位性が高まると考えることが出来ます。
チャネルライン(トレンドライン)まとめ
トレードの様々な場面で役立てることが出来るチャネルライン。
直線を引くということで、明確且つ視覚的にもわかりう安いトレンド指標ですが、
その分ダマしと判断してしまうことも多くなりやすい傾向があります。
しかし、トレンドラインは多くのトレーダーが利用している指標でもありますし、
実際にチャネルラインを使ってさまざまなトレードを試してみることで、
FXのスキルを磨いていくことができます。
トレンドラインは相場の進行とともに、常に引き直していく必要性もありますが、
ラインの修正を正確に行えるようになるためには、
それなりの経験を積む必要があります。
ラインの性質を把握して、過去のチャートを使いながら、
たくさんのラインを実際に引いてみることが大切ですので
是非、時間と検証を重ねて少しつずでもチャレンジしてみることをおすすめします。
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