見たことのないロジックのスキャルピングEA「ブレイクスキャルシステム」

ブレイクスキャルシステム

 

ブレイクアウトシステムは有効な手法だが騙しが多い

 

FXトレードで有効と言われているストラテジーは数多くありますが、
実際にトレードするとあまり機能しなかったり、
まったく使い物ならなかったりするものがほとんどだと思います。

 

逆張りシステムはトレンドが発生してしまうとなす術がありませんし、
トレンドフォローはレンジ相場が続くと負け続けてしまいます。

 

 

そのシステムの苦手な相場でいかに負けないようにするか、
それが無理なら少しでも負けを少なくさせることが
システムを機能させるために重要なことなのです。

 

しかし、騙しというものは一朝一夕で排除できるほど甘いものではありません。

 

数あるストラテジーの中でも
ブレイクアウトシステムは騙しにあいやすいシステムと言ってもいいでしょう。

 

ブレイクアウトするたびに漠然とエントリーしていたら
十中八九、大きなドローダウンに見舞われてしまいます。

 

一発大きなホームランをかっ飛ばせば負けを取り戻せる可能性もあるのですが、
相場の状況次第ではホームランを打つ前に資金が底をついてしまいます。

 

 

こうしたブレイクアウトシステムのウィークポイントを克服するために
開発者たちは様々なフィルターを使って連敗を避けようとしますが、
市販のEAでレンジ相場をうまくこなしているEAはあまり見たことがないですね。

 

多くのブレイクアウトシステムが、出来るだけ利を伸ばそうとする戦略をとって
ドローダウンを喰らっているのを尻目に、利を伸ばすことを諦めることで
好成績を上げていく戦略を持つEAが最近注目されてきています。

 

 

 

ブレイクアウトの瞬間をかすめ取るという考え方

 

今回検証する「ブレイクスキャルシステム」
今までのブレイクアウトシステムが抱えていた騙しという問題に対し、
全く新しいアプローチで挑んだEAです。

 

ブレイクアウトシステムはサポートやレジスタンなどの抵抗帯を
ブレイクした後の勢いを利用した戦略ですが、
どこまでその勢いが続くかということがわからない以上、
クローズの戦略が非常に難しいのです。

 

通常はトレイリングストップを使って追いかけていくことが多いのでしょうが、
ちょっと激しく動かれるとすぐにストップにかかってしまうので、
効率的に追いかけることは難しいと言ってもいいでしょう。

 

 

この問題に対し「ブレイクスキャルシステム」
ブレイクアウトした瞬間の勢いのある動きだけをかすめ取り、
その先にあるかもしれない大きな利益は捨ててしまうという
割り切ったスタンスを取っています。

 

 

利益確定しなければ、数百pipsの利益があるかもしれませんが
騙しにかかるリスクは高くなり、連敗が続けば大きなドローダウンにつながります。

 

ブレイクスキャルシステムはドローダウンを極力回避しながら
コツコツと稼ぐことで右肩上がり収益曲線を描く
扱いやすいシステムとすることを目指しているのです。

 

 

さらに、ブレイクスキャルシステムは
ドル円とユーロドルというスプレッドが狭く流動性の高い通貨ペアが推奨されています。

 

最大ポジション数は2で、場合によっては両建てになることもありますが、
積極的に両建てを狙うという姿勢はとっていません。

 

 

テイクプロフィットとストップロスを見ると
「本当にブレイクアウトシステムなの?」と思わず疑ってしまうのですが、
このセッティングこそが「ブレイクスキャルシステム」の肝となっているんですね。

 

テイクプロフィットはなんと5pipsと非常に小さく、
ストップロスも50pipsと比較的浅めに設定されています。

 

ブレイクアウトシステムとして考えると腑に落ちないセッティングですね。

 

 

しかし、このEAをスキャルピングシステムとして捉えた場合には
王道的なセッティングをしていることに気付くと思います。

 

ブレイクアウトでスキャルピングシステムを作ろうと考えた場合に、
高値買いや安値売りなどの可能性が高いのではないかと思って
なかなか実行に踏み切れないですよね。

 

しかし、バックテスト結果を見ると90%近い高勝率を叩き出しているのです。

 

おそらく、5pipsというテイクプロフィットにより、
小さなブレイクアウトでも利益確定することが出来るからなのでしょう。

 

 

抵抗帯では何度もブレイクアウトを試す傾向があるので、
50pipsのストップロスとの相乗効果により
テイクプロフィットに刺さる確率がアップしているのだと考えると納得できますね。

 

 

 

バックテストを解析してEAの本質に迫る

 

さっそく「ブレイクスキャルシステム」のバックテスト結果をチェックしてみることにしましょう。

 

 

最近では10年間といった長い検証期間を売り物にしたEAが増えてきていますが、
「ブレイクスキャルシステム」のバックテスト期間はたったの2年間しかありません。

 

え?たった2年間で大丈夫なの?
たまたまその期間の相場に合っていただけじゃないの?
2年間ならカーブフィッティングなんて簡単にできるし…

 

言いたいことは山ほどありますが、
客観的に数字をチェックしていくことにしましょう。

 

先ほど触れたバックテスト期間は2013.01.01~2014.12.01なので
厳密にいうと1年と11か月になります。

 

 

各年毎の成績は以下の通りです。

 

2013年(12か月):786.3pips
2014年(11か月):369.2pips

 

2013年の月平均の獲得pips数が65.52pips、2014年が33.56pipsとなっており、
2014年の成績が下がってきているのが気になりますね。

 

ブレイクスキャルシステム

 

収益曲線を見ても、
2014年に入ってから成績が頭打ちになっている状況がよくわかります。

 

グラフが急激に上昇している部分はヒストリカルデータにエラーがあったか、
週末にギャップが発生して高値で決済されたのかのどちらかではないでしょうか。

 

トレード履歴を獲得pips順に並び替えてみると
テイクプロフィットである5pips以上で決済されているケースが他にもあるようですね。

 

 

ブレイクスキャルシステム

 

 

このEAはタイムフィルターが付いていないフルタイムのスキャルピングシステムですが、
ヨーロッパや米国の経済指標が発表される時間帯に
トレードを多くする傾向があるようです。

 

 

ブレイクスキャルシステム

 

曜日ごとのトレードでは、金曜日の成績だけがマイナスになっています。

 

このEAのロジックと週末の手じまい的なマーケットの動きがマッチしていないことが
主な原因なのでしょう。

 

これだけはっきりとデータとして出ている以上、
金曜日にはトレードしないように
パラメーターを変更しておいた方がいいかもしれないですね。

 

 

ブレイクスキャルシステム

 

 

ポジションの保有期間を見ると、このEAの勝ちパターンが見えてきます。

 

ポジション保有期間が1時間以内の場合はバックテスト期間通算でプラスになるのですが、
ポジション保有期間が1時間を超えてくるとマイナスになります。

 

このEAが狙っているブレイクアウトの瞬間で勝つことが出来ないと
そのポジションは負けていく定めなのですね。

 

 

ブレイクスキャルシステム

 

 

 

フォワードテストをチェック

 

このEAは、2014年の11月からフォワードテストを公開しているので、
既に2年以上のデータが蓄積されていることになります。

 

バックテスト期間よりもフォワードテスト期間の方が長いというのは
市販のEAではあまり見かけないパターンですね。

 

 

■フォワードテスト損益
2014年(11月~):181pips
2015年     :226pips
2016年(~12月):543pips

 

 

約2年間でのトータル損益は約950pipsなので
バックテストとかなり近い数値になっていますね。

 

勝率は92.39%となっており、
これはバックテストでの勝率89.02%を大きく上回っています。

 

全期間で最大ドローダウンが19,230円と低いので、
安心して複利機能を使えるのではないかと思います。

 

 

たった2年間のバックテストを公開しているだけだったので
あまり期待していなかったのですが、これだけ再現性が高いというのは
基本的なロジックが間違っていないことの証明ではないかと思います。

 

 

 

「ブレイクスキャルシステム」を使いこなすうえでこのポイントは抑えておきたい

 

「ブレイクスキャルシステム」はバックテストもフォワードテストも
特に問題がなく素晴らしいEAだと思うのですが、
より効果的に使いこなすためには以下のポイントを抑えておいた方がいいと思います。

 

 

まず挙げておきたいのは推奨通貨ペアである
ドル円、ユーロドルのスプレッドが狭いブローカーを選ぶという事です。

 

スキャルピングEAなので当たり前のことですよね。

 

タイムフィルターのない24時間稼働タイプなので、どの時間帯でも
安定して1pips程度のスプレッドを提示してくれるブローカーを選ぶことが重要です。

 

現実的にはなかなか難しいので、
スプレッドフィルターを活用することになると思いますが、
その場合はバックテストよりも
パフォーマンスが低下することを覚悟する必要があります。

 

 

バックテストを解析した時に、
気になった金曜日のトレードについても対策しておく必要があるでしょう。

 

このEAは週末の相場の動きにマッチしていないのか
金曜日のトレードはトータルで見るとマイナスになっています。

 

これを防ぐためにパラメーターを変更して
週末にはトレードしないように設定しておくことをお勧めします。

 

 

そのためにはEAのパラメーターの「MarketCloseFilter」という機能を使います。

 

この機能を使うことで、マーケットがクローズする前にはトレードをしないようになるので
週末にポジションを持ち越すこともなくなります。

 

マーケットがクローズする何時間前からトレードをしないという調整も出来るので、
このあたりの数値を過去データを使って最適化しておいた方がいいでしょう。

 

 

最後にもう一点だけ。

 

このEAは両建てをするのですが、
ブローカーによっては両建てを許可していない場合もあります。

 

このようなブローカーを使用する時のために
両建てをさせないようにするパラメーターも存在するのですが、
バックテストやフォワードテストの検証結果と差が出てくるので
使用しない方がいいと思います。

 

もし使用する場合は、両建てをしない状態でバックテストをして
ロジックがきちんと機能しているのを確認してからの方がいいでしょう。

 

 

以上のことに留意することで、
このEAは本来のパフォーマンスを発揮してくれるはずです。

 

ドローダウンの少ないEAなので、
複利システムを活用すればさらに戦闘力がアップすることが期待できます。

 

私の性格上、あまり人の作ったEAを褒めたくないのですが(笑)、
このEAのロジックはなかなか期待できるのではないかと思います。

 

スキャルピングのEAの購入を検討している方は
選択肢の一つとして考えてみてもよいのではないでしょうか。

 

 

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