トレンドの強さを測定するインジケーターADXの使い方

 

ADX(AverageDirectionalMovementIndex)とは

 

ADXは、米国のアナリストJohn Welles Wilder.Jr(J.W.ワイルダー)氏が考案した、
トレンド系に部類するテクニカル指標です。

 

J.W.ワイルダー氏と言えば、
他にもRSIやパラボリックなどを考案した著名アナリストです。

 

 

オシレーター系逆張り指標の代表格RSIの使い方と、順張り指標としての応用法を紹介

 

 

表題にもありますが、ADXは、AverageDirectionalMovementIndexの略で、
日本語では「平均方向性指数」と呼ばれています。

 

トレンドの総合的な強さを測定するために活用されるテクニカル指標です。

 

 

 

 

サブチャートに表示されているラインがADXで、
通常メインチャートのローソク足のみだと、
ローソク足の並び具合でトレンドを見極めることになりますが、
ADXでは、トレンドの強弱が「数値」として表示されます。

 

一般的には、ADXの数値が25以上の場合にトレンド状態と判断し、
数値が高ければ高いほど、より強いトレンドと判断します。

 

 

そして、数値が25以下の場合は、レンジ状態と判断されます。

 

 

 

 

画像のように、ADXの数値が上がってきたところでは、
トレンドが発生してることが確認できます。

 

 

【↑画像クリックで拡大できます】

 

 

一方、ADXの数値が下回っている時には、トレンドは出ていないことが確認できます。

 

 

このようにADXを活用することで、
通常ロウソク足のみではその形状などで視覚的に判断することなく、
トレンドを明確な数値化することで判断することが可能になります。

 

 

 

ADXと合わせて表示される±DI、ADXと±DIを合わせた「DMI」

 

ADXはトレンドの強弱を示す指標ということで、
上の画像のように、上昇トレンドでも、下降トレンドでも、
どちらの場合もトレンドの強弱によって数値が上下し、
トレンドの“方向性”は示されません。

 

その方向性を補うために合わせて表示されるのが、
±DI(Direction Indicator)「方向性指数」という指標です。
※Directional Movement=DMと呼ばれることもあります。

 

 

 

 

緑のラインが+DIで、上昇トレンドの強弱を表し、
赤のラインが-DIで、下降トレンドの強弱を表します。

 

ADXと±DIをセットにして「DMI」と呼ばれています。
※MT4にデフォルトで入っているADXには±DIが自動的に表示されます。

 

 

DMIを表示し、

 

ADXが25を超え、且つ+DIが-DIよりも上に位置する時は、強い上昇トレンド
ADXが25を超え、且つ+DIが-DIよりも下に位置する時は、強い下降トレンド

 

と判断することが可能です。

 

 

 

ADXとDIの計算方法

 

ADXとDIの計算は少々複雑にはなりますが、難しいものではありません。

 

DM→TR→DI→ADX という順番で、指標を計算していきます。

 

計算方法を覚える必要はありませんが、
指標の構成を詳しく知りたいという人は一度は確認してみるとよいと思います。

 

 

DM(Directional Movement)の計算

 

まず、DIを計算するためにDM(Directional Movement)という指標を計算します。

 

DMは前日の高値(安値)と当日の高値(安値)の変動幅を表します。

 

+DM = 当日の高値-前日の高値
-DM = 前日の安値-当日の安値

 

ただし、以下の条件でDMの値は変わります。

 

+DM < 0 → +DM=0(当日の高値が前日の高値よりも低い場合)
-DM < 0 → -DM=0(当日の安値が前日の安値よりも高い場合)
+DM > -DM → -DM=0(+DM(上昇幅)が-DM(下落幅)を上回る場合)
-DM > +DM → +DM=0(-DM(下落幅)が+DM(上昇幅)を上回る場合)

 

 

TR(True Range)の計算

 

続いて、TR(True Range)という指標を計算します。

 

TRは1日の最大値動きを表します。

 

TRは以下のA、B、Cの中の最大値となります。

 

A = 当日の高値-当日の安値
B = 当日の高値-前日の終値
C = 前日の終値-当日の安値
TR = max(A,B,C) = 1日の最大値動き

 

 

DI(Direction Indicator)の計算

 

「14日間のDMの合計」「14日間のTRの合計」で割ることで、
DI(Direction Indicator)を計算することができます。

 

+DM =(14日間の+DMの合計)÷(14日間のTRの合計)×100
-DM = (14日間の-DMの合計)÷(14日間のTRの合計)×100

 

 

ADX(Average Directional Movement Index)の計算

 

最後に、DIからDX(Directional Movement Index)を計算します。

 

DXはトレンドの強弱を表す指標で、
上昇トレンドであっても下落トレンドであってもトレンドが強くなれば大きくなり、
弱くなれば小さくなります。

 

DX = {(+DI)-(-DI)}÷{(+DI)+(-DI)}×100

 

DXの14日間移動平均を計算したものがADXとなります。

 

 

 

ADX(DMI)を使ったトレンドフォロー手法

 

DMI(ADX、+DI、-DI)の3つのラインを表示して、
トレンド発生からの、トレンドフォロー手法を紹介します。

 

 

・エントリー条件
買い +DIが-DIを上回り、ADXが25を超え、上向く
売り -DIが+DIを上回り、ADXが25を超え、上向く

 

・決済条件
ADXが上昇から下降へ転換
or
買い +DIが-DIを下回るポイント
売り -DIが+DIを下回るポイント

 

 

では、実際のチャートで確認してみましょう。

 

 

【↑画像クリックで拡大できます】

 

 

+DIが−DIを上抜き、且つ、ADXが25を上回ているポイントで買いエントリーします。

 

その後、相場は上昇していき、
決済ポイントは、ADXが上昇から下降へ転換
+DIが-DIを下回ったポイントで手仕舞いとします。

 

こうすることで、上昇トレンドを捉えることが出来きるようになります。

 

 

 

しっかりと検証を行い、自身のルールにそって活用することが大切

 

今回の記事では、ADXの計算式や基本的な使い方を解説しました。

 

ADXを使うとトレンドを数値的に判断することができるようになりますが、
もちろんこれは絶対的なものではありません。

 

ADXの初動の傾きに注目しつつ、+DIと-DIが大きく乖離する部分を探ることが、
早くサインを察知するためのポイントとなります。

 

 

他のインジケーターや水平線などを組み合わせることで、
より優位性の高い手法を見つけてみてください。

 

過去のチャートをしっかりと検証し、
期待値でプラスになるようなルールを見出していくことが
トレードで勝つために最も重要ことです。

 

 

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