スキャルピングはEAでの自動売買がお勧め
会社員やOLのトレード手法でお勧めなのは?
FXでトレードをするにあたり、やみくもにトレードしていたら勝てるわけがありません。
勝つためにトレーダーたちは日々研究し、売買戦略を練り上げていきます。
売買戦略には様々なものがあるのですが、取引スパンだけを考えるなら、
スイングトレード、デイトレード、スキャルピングの3種類が
メインストリームとして挙げられるのではないかと思います。
スイングトレードはこの3つの中では最もトレードスパンが長く、
数日から数週間程度の期間ポジションを保有します。
スイングトレードは、比較的大きな値幅きを狙っていく中長期売買なので、
相場を長い目で見ることのできる分析力が必要になります。
デイトレードは、数分から数時間、長くても1日でトレードが完了するトレード手法です。
10pipsから100pipsくらいの値幅を狙うことが可能で、
翌日にポジションを持ち越さないため、
夜間の急激な値動きに巻き込まれる心配がないというメリットがあります。
スキャルピングは、1分足や5分足などの短い時間枠のチャートを使って、
数pips程度の小さな利益を狙ってトレードをしていきます。
トレード時間は、数秒から数十分程度で終了することが多く、
薄利多売で小さな利益をコツコツと積み上げていくタイプのトレード手法です。
日中に仕事をしていて、夜にしかトレード時間を取れないという人には、
どのトレード手法が向いているのでしょうか?
この3つの中でまず外したいのが、デイトレードです。
デイトレードはポジションを持ってしまうと、
値動きによっては何時間もチャートを見続けている必要があります。
仕事を終え帰宅したら、食事、入浴などを済ませてから
ようやくトレードに入るケースが多いのではないかと思いますが、
夜中までチャートを見続けていたら翌日の仕事に支障が出てしまいます。
スイングトレードはどうでしょうか。
スイングトレードはトレードスパンが長いため、
ゆっくりとチャート分析してからエントリーすることが出来ます。
エントリー後にチャートに張り付いている必要がないので、
トレード時間の限られている人にとってはお勧めです。
デメリットは、トレードチャンスが来るまでに
長い時で数週間以上も待つ必要があるので、
モチベーションを保つのが難しいという点でしょう。
トレードチャンスの多さという点にフォーカスすると、急浮上してくるのがスキャルピングです。
値動きによっては1時間に数回はチャンスがやってくるので、
帰宅後しかトレード時間を取れない人でも、
ノートレードという事態は避けられる可能性が高いと思います。
特に9時を過ぎると各国の経済指標の発表が相次ぐので、値動きも活発になってきます。
スキャルピング手法にとっては願ってもない好漁場となるわけですね。
トレードする時間帯を厳守すれば、翌日の仕事に支障が出ることもありません。
持ち越しのポジションもないので、
含み損におびえながら不眠症になることもないのです。
以上のことから考えると、
じっくりと腰を据えてトレードしたい人にはスイングトレード、
活発な値動きを狙って手数で勝負するようなアクティブな人は
スキャルピングが向いているのではないかと思います。
『人力でスキャルピングするのは大変。だったらEAがいいんじゃない?』
とお考えになられる方もいらっしゃるかと思います。
スイングトレードは、チャートを見続けてる必要がないので、
トレードしていても疲労感はほとんど感じません。
もちろん含み損を抱えている時は胃が痛くなったりしますが、
それはスイングトレードに限ったことではありません。
毎日チャートをチェックしてストップロスを動かしたり、
相場が逆行しそうな前兆を掴んだら
クローズしたりするくらいしかやることがないのです。
一方のスキャルピングは、トレード時間は長くても数時間ですが、
その最中は大忙しです。
1時間足のチャートで、短期のトレンドをチェックしつつ、
5分足でオシレーターの動きを監視し、
1分足でエントリーのタイミングを計るなど
いろんなことを同時にやらなければなりません。
マルチディスプレイがあれば一番いいのですが、
一般のトレーダーだとなかなかそこまでは揃えられないでしょう。
スキャルピングはやりがいはあるのですが、
毎日やり続けるのは実はすごく大変だったりします。
目は疲れるし、肩も凝るし、集中力を維持するため
頭がぼーっとすることもしょっちゅうあります。
せっかく値動きのいい最適な時間帯にトレードしているのに
こんな状況だと結果を残せないのは当然ですよね。
こういう時に非常に便利なのがMT4のスキャルピングEAです。
スキャルピングではインディケーターを見ながら
機械的にトレードするケースが多いので、
EAによる自動化に向いている手法といってもいいでしょう。
スキャルピングEAの特徴
スキャルピングEAの特徴の一つに高い勝率があります。
スキャルピングEAでは、比較的深い位置にストップロスを入れ、
小さい利益をコツコツ積み重ねていくために
勝率が高くないEAは必然的に淘汰されることになります。
スキャルピングEAの収益曲線を見ればわかると思いますが、
連勝が続いてコツコツ利益を稼いだ後に、
大きく負けるということの繰り返しになります。
よくコツコツドカンという表現をされることが多いのですが、
収益曲線を見るとそれがよくわかりますね。
ストップロスがテイクプロフィットの数倍に設定されているスキャルピングEAの場合は、
高勝率じゃないとトータルで損失を出してしまうのです。
スキャルピングEAではどのように負けるかが重要
スキャルピングEAは高い勝率の結果、連勝することが多く、
絶好調の時は一直線に資産曲線が伸びていきます。
しかし、ストップロスにかかった時の損失が大きいので、
連敗した場合には大きなドローダウンとして跳ね返ってきます。
このことからわかるように、スキャルピングEAでは
勝ちトレード以上に負けトレードの内容が重要になってきます。
テイクプロフィットが10pips、ストップロスが50pipsのスキャルピングEAがあります。
このEAをデフォルト設定のままでバックテストしてみると以下のようになります。
勝率:89.98%
純益:2068pips
最大ドローダウン:289pips
次にこのEAのストップロスだけを、10倍の500pipsにしてバックテストしてみます。
勝率96.97%
純益:2284pips
最大ドローダウン:1086pips
ストップロスを10倍の500pipsにした場合は、勝率が96.97%と高くなっており、
50pipsの場合よりもコツコツと利益を稼いでいるのがわかります。
純益もわずかですが増加しています。
これだけを見ると、ストップロスを大きくして
勝率をアップした方がトータルでは儲かっています。
しかし、最大ドローダウンを比較してしまうと、
勝率が低くてもストップロス50pipsの設定で
運用したくなる人の方が多いのではないでしょうか。
スキャルピングEAは出来るだけレバレッジを高くして運用したいのですが、
最大ドローダウンの大きいEAだと資金管理の面で厳しくなってしまいます。
いかに勝率が高くても、負けトレードは避けられないので、
ロジックの部分でいかに負けた時の損失を抑えるかが重要になってきます。
例えば最適化する時に、ストップロスの最大値を100pips以下に設定し、
この設定で最適化して利益が出ないロジックはあきらめるとか
自分自身で基準を作っておくといいのかもしれないですね。
負け方のうまいスキャルピングEAを見つけるのは大変ですが、
ストップロスの大きさ、ナンピン、マーチンゲルの有無などに注目しておくだけでも、
危険なEAから身を守ることが出来る確率がアップします。
重要経済指標時に稼働させるべき?
米国雇用統計などのような
注目度の高い重要経済指標が発表されると相場が大荒れになることがあります。
このような状況下ではストップロスにかかる可能性が非常に高くなります。
そのためEAを稼働させておくか、
止めてしまうか非常に判断に悩まされることになります。
EAによっては米雇用統計の日(毎月第一金曜日)は
トレードしないようにプログラムされている場合もありますが、
ほとんどのEAにはこうした機能は組み込まれていません。
バックテスト結果も、雇用統計の荒れ相場にトレードした場合のものなので、
バックテストと同条件でトレードしたいのなら、
雇用統計発表の日もEAを動かし続ける必要があります。
しかし、現実的にはスプレッドが拡がり、スリッページが発生しまくる状況は、
スキャルピングに適しているとは言えません。
安全を一番に考えるとEAは稼働させない方がいいのではないでしょうか。
逆に言うとバックテストの時点で、雇用統計の日をスキップしないような
スキャルピングEAは使わない方がいいと言ってもいいかもしれません。
自作のEAの場合は以下の条件を満たすようにコードを書けばいいので
それほど難しいことではないでしょう。
DayOfWeek() == 5 (金曜日)
Day() < 8(第一週)
購入したEAの場合は、販売者に連絡して雇用統計をスキップする機能を
付けてくれるように要望を出しておくことをお勧めします。
まともな販売者ならバージョンアップのタイミングに合わせて
機能を追加してくれる可能性が高いです。
半自動売買EAも悪くないかも
基本的に裁量でスキャルピングしたいけど、
ずっとチャートを見続けているのはつらいという人には、
エントリーだけしてくれる半自動売買のEAを利用するという方法もあります。
例えばトレンドの方向は自分で判断して、
オシレーターの買われ過ぎ、売られ過ぎなどはEAに判断してもらうような方法ですね。
この方法だとトレンドの判定以外はEAがやってくれるので、
かなり労力を省くことが出来ます。
プログラミングできる人は自分で作成すれば済むのですが、
プログラミングが出来ない人は外注するしかないのでちょっとハードルが高くなります。
いかにいい業者を探し出すかがポイントになるでしょう。
スキャルピングEAの特性を理解してから運用しよう
スキャルピングEAは、特性を十分理解した上で利用する分には非常に有効です。
しかし、優秀なEAを選ぶためには、過去の売買履歴から
ある程度EAのロジックを推定できるくらいの知識や経験が必要になってきます。
最低限のスキルとして、危険なEAを見極められるようになるまでは
手を出さない方が無難かもしれないですね。
スキャルピングEAの特性を正確に理解しないままアクティブなトレードをすると
結果的に大きな痛手となるケースが多いので十分注意が必要です。
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