【被害者続出】Yahooニュースでも取り上げられた高額USBマルチ商法の実態「アイテックジャパン」

 

大学生をターゲットにした悪質業者、アイテックジャパンのUSBとは

 

投資リテラシーの低い層を狙う悪質業者は、手を変え品を変え
次から次へと新しい「詐欺」ビジネスを展開しています。

 

当ブログでは、この手のニュースについてコラム記事として取り上げていますが、
昨年末、「何もせずに稼げる」「1年後には200%」等と謳い、
大学生コミュニティを中心にUSBを販売しているアイテックジャパン
Yahooニュースなどの大手メディアなどで話題になりました。

 

 

この事件は、いわゆるマルチ商法と言われるもので、
連鎖販売取引という販売形式で展開されています。

 

連鎖販売取引というのは、ある商品の販売において、
その商品を購入することで、購入者自身が商品を販売する権利を持ち、
その販売者となった購入者が、第三者へ商品を販売することにより、
販売代金の中から報酬(キャッシュバック)を受けられる
といった販売形式になっています。

 

現在は、特定商取引法第33条で定義されており、取引がルール規制されいます。

 

 

規制前は、無限連鎖取引といった販売形式が世の中では蔓延していて、
いわゆる「ねずみ講」と呼ばれたものです。

 

無限連鎖取引では、人口に限界がある以上、
早期参加した者のみが報酬を得られる仕組みになっており、
後から参加した者が稼ぐことができない仕組みになっているため、
被害者が続出し「無限連鎖講の防止に関する法律」で規制されました。

 

現在は、連鎖販売取引という販売形式そのものは合法的なものとなっており、
MLM(マルチレベルマーケティング)と呼ばれています。

 

 

そして、今回問題となっている、アイテックジャパンの事件は、
連鎖販売取引形態で、大学生コミュニティ内を中心に展開していました。

 

販売形態としては、法律に反しているものではないのですが、
問題は、

 

「商品そのもの」

 

 

「販売上の謳い文句」

 

です。

 

 

商品は「USBメモリ」とのことなのですが、その価格がなんと53万円

 

そのUSBには、投資で稼ぐ情報が入っていると宣伝されており
「何もしないで稼げる」「1年で200%の利益が出る」等の
謳い文句で販売されていました。

 

投資ジャンルは、バイナリーオプションで、USBに入っていた具体的な内容は、
MT4で動作するエントリーポイントを知らせるサインインジケーターです。

 

 

以前にも似たような詐欺事件が問題になりましたね。

 

NHKに取り上げられた謎の投資グループ「オプザイル」の実態を暴露

 

オプザイルの販売するUSBツールの中身が判明!MT4とインディケーターのセットだった

 

 

そして今回の案件も、集団訴訟へと発展しているようです。

 

「もうかる」信じた大学生、53万円支払い…会社を提訴:朝日新聞デジタル

 

 

現在、アイテックジャパンは、株式会社ライズ、kingsに分社化し、
 それぞれに活動を行っているようです。

 

 

被害が拡大した2つの要素

 

このような胡散臭い儲け話が何故流行してしまうのか?

 

そう思う人も少なくないと思います。

 

しかし、今回の事件の被害が拡大した理由には、大きく分けて2つの要素があります。

 

 

まず1つ目が、先ほどから説明している連鎖取引販売形式の特性です。

 

一般的ヒットする商品の中には、口コミで広がるものが存在ます。

 

例えば、1人が3人に紹介し、その3人が各自更に3人に紹介すると、
瞬く間にその商品は広まっていきます。

 

 

そして、この連鎖販売形式に参加する人の大半は、
商品そのものを購入することを目的としておらず、
その報酬を得ることが目的となっています。

 

単なる非営利活動であっても口コミ効果絶大なものですが、
これが営利活動となると猛威を振るいます。

 

目的が報酬を得ることとなっているため、
報酬を得ることさえ出来れば、商品そのものは何だっていいわけです。

 

これまでにも歴史的に、様々な商品が販売されてきていて、その商品は多種多様です。

 

報酬目的で活動する者としては、制約しやすい商品が求められます。

 

特に今回の商品であるUSBも、販売報酬は6万円と高額に設定されており、
その報酬目当てに、口コミの拡散力が加わり、被害が拡大していったわけです。

 

 

そして、2つ目の要素が、投資リテラシーの低い大学生(情弱層)を
ターゲットとしている部分です。

 

以前も取り上げた「オプザイル事件」から3年と間もない期間に
同じような事件が発生してしまっている要因としては、
まだ社会に出て間もない大学生コミュニティがターゲットとなっているところでしょう。

 

 

口コミ効果や個人の報酬目的で販路を拡大させる販売方法については、
ネットビジネス業界ではアフィリエイトシステムと最もポピュラーな販売形態であり、
珍しいものではありません。

 

今やネットで調べられることは非常に多く、
アフィリエイトされている商材の口コミ実態など、
誰でも簡単に調べてしまうことができます。

 

 

しかし、こういった連鎖取引形式で行われる営業活動は、
対面で行われることがほとんどです。

 

従って、このような一部のコミュニティ内で広まっている案件などは、
ネット上に情報が出回ることが少なく、
事前に詐欺かどうかを見極めるための情報収集がおこないづらいのです。

 

 

更に言えば、大学生コミュニティは世代狭くなっており、
社会的知識を持った人との繋がり等も薄い傾向にあります。

 

同じように被害にあった人達も3年もすればそのコミュニティからは離れてしまいます。

 

こういった背景により、一定期間後に「同じような詐欺事件」が成立してしまうのです。

 

 

社会やお金に関する知識・情報が乏しく、詐欺の事例なども知らない
純粋な若者がターゲットとするやり口は、極めて卑劣と言えるでしょう。

 

 

 

訴訟を起こすにしても、相当な費用と労力が必要となる

 

このような案件は、明かな詐欺と受け取ることができますが、
実際の事例では、詐欺として立件することは難しいことが多いです。

 

あくまでも商法上のやり取りということが前提となり、
どう考えても詐欺と言うものであっても、
刑法上の詐欺と立証するために必要な証拠揃わないことがほとんどです。

 

こういった案件を仕掛ける側は、
法律の抜け道をうまく利用し、巧妙なやり口で販売しています。

 

 

対面形式で取引を行うことで、提示すべき特定商法取引に関する情報や
提示、告知すべき内容など曖昧になってしまったり、
知り合いの紹介といった流れから、身分の確認なども疎かになってしまいがちです。

 

対面形式から現金でのやり取りになることが多く、
購入したことの証明になる領収書すら交わすことがない状態です。

 

また、メリット等、謳い文句は口頭都合良く伝え、
書面(契約書)で交わす小難しい文言等は、
販売する側都合の良いものになっています。

 

 

そして、こういった案件は、刑事事件として取り扱われることが難しい為、
民事裁判に発展することも少なくはありません。

 

現にこのアイテックジャパンの案件では、
大学生等集団訴訟に踏み切っているようです。

 

 

しかし、民事裁判と言っても、それには相当な費用と労力が必要になります。

 

このような詐欺案件では、仕掛ける側もそういった展開を想定しているものなので、
被害者側の請求が一方的に認められることは非常に難しいです。

 

仮にその請求が認められたとしても、
被告人側がその判決を守らないことによる法的なペナルティはありません。

 

 

要は裁判で勝っても、お金取り戻せるわけではないということです。

 

請求権の確定は、法的な債務となるのですが、
裁判所や国はその債務の取り立てまでは行ってくれないのです。

 

被告人側が判決結果に応じなければ、
結局、取り立てや請求被害者自身が行わなければならないのです。

 

 

そして、その方法は、預金等財産の差押えや、給与などの差押えとなるわけですが、
どこにどんな財産があるかを調べたりするのにも素人には限界があるため、
ここでもまた別案件として弁護士等費用が必要となってきてしまうのです。

 

 

例えば、銀行口座の差押えをしようとする場合、
相手の保有している銀行がわからなければ、その銀行を突き止めなければいけません。

 

世の中に存在する銀行を虱潰しに調べていく必要があり、
弁護士に依頼して弁護士照会をしてもらう事で、
債務者の銀行口座の情報を開示することができます。

 

その費用は銀行1行毎に必要となり、莫大な費用が掛かってしまいます。

 

そして、すべての金融機関弁護士紹介に応じるわけでもありません。

 

更には仮に口座が特定されたとしても、そこに資金があるかは別問題です。

 

 

もしもここまで行うとなれば、その費用商品代金優に超えてしまいます。

 

こういった背景から、結局泣き寝入りしてしまうことがほとんど
というのが現状なのです。

 

 

ですから、こういった詐欺グループから身を守るためにできる
1人1人ができる最善の策は、自分の頭で考え、論理的な判断することです。

 

そのためには、情報リテラシー投資リテラシーを高める必要があります。

 

 

この手の詐欺に巻き込まれてしまう要因は多々ありますが、
それらは先にも紹介した「オプザイルの事件」と同じような共通点ばかりです。

 

 

説明や謳い文句などを感情的に「信じるか信じないか」で判断するのではなく、
説明や謳い文句を、自分の頭論理的に考え、
その考察によって判断することが必要です。

 

仮に、自分では理解できない内容であれば、知識を補う必要がありますし、
自分で理解できないものに手を出すことこそが危険な行動です。

 

こういった案件で被害を受けてしまう人は、
自分では完全に理解できていないまま、相手の謳い文句を都合よく信じ
感情的判断で参加してしまっています。

 

情報商材に関しても、同様の要素が潜んでいますので、
自分で理解できないものには、手を出さないように注意しましょう。

 

 

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