あらたな“キング”が生まれるのは遠い未来の話ではないかもしれない
テキシアジャパンHDは詐欺集団が終結した詐欺会社
全国1万3千人もの人間から総額460憶円もの金を騙し取った大規模な投資詐欺
テキシア事件の全貌が明らかになるにはまだまだ時間がかかりそうです。
今回の事件では会長の銅子正人容疑者(田中正人)含め、
同グループ幹部ら合計10人が逮捕されており、名前は以下の通り。
銅子正人(田中正人)容疑者(41)=テキシアジャパンHD会長
幹部・穂積一志(56)=福岡市中央区
石丸忠志(57)=札幌市豊平区
沢幡信吾(48)=千葉県四街道市
元社長の安達慶三容疑者(58)
安達妻淑恵(45)
指定暴力団六代目山口組弘道会傘下組織幹部・中村外喜治容疑者(66)
元岡山県警の警察官・三好輝尚容疑者(60)
井上良一(65)
依光幹夫容疑者(75)
そしてこのうち8人が、海外投資を巡って事件となった
別の会社に関わっていたことが明らかになっています。
投資関連会社「テキシアジャパンホールディングス」(千葉市)の実質的経営者ら10人が逮捕された詐欺事件で、このうち8人が、海外投資を巡って問題を起こした別の会社にかかわっていたことが、捜査関係者などへの取材でわかった。愛知、岡山両県警は、別の会社で勧誘ノウハウや人脈を培った関係者が、テキシア社の中核として活動し、勢力を拡大していったとみている。
海外投資話で多額の資金を集めていたのは「ライフステージ」。証券取引等監視委員会の発表によると、海外の関連会社の外国為替証拠金取引(FX)に投資して月利3%を支払うとの触れ込みで、2011~13年ごろに延べ5336人から約146億円を集めた。
同社は「エージェント」と呼ばれる個人らに勧誘活動をさせ、紹介料を毎月支払っていたという。しかし、無登録で集金したことが金融商品取引法違反にあたるとして、13年に東京地裁から一部業務停止命令を受けていた。
引用元・テキシア事件逮捕の8人、別会社でも多額集金でノウハウ:朝日新聞デジタル
今回の逮捕者のうち8人が関わっていた会社というのは
「株式会社ライフステージ」です。
ライフステージは東京新宿区に拠点を構えていた無登録の投資コンサル会社で、
FX投資をうたって顧客から運用資金を集めていました。
・株式会社ライフステージ及びその役員等2名の金融商品取引法違反行為に係る裁判所への申立てについて:証券取引監視委員会
この事件の被害者数は全国で5336人にものぼり、被害総額は約146憶円。
勧誘を行っていたのは同社会長と社長の他、「エージェント」と呼ばれる出資者60人。
エージェントには、各顧客の出資額に応じた
成果報酬(手数料)が支払われていました。
また、ライフステージもテキシアジャパンと同様
集めた資金を他の顧客へ配当として回す、自転車操業だったとのこと。
ライフステージの容疑は金融商品取引法違反ですが、
自転車操業で経営を回していた点や
出資者に成果報酬を支払い新規顧客の勧誘要員として働かせていた点など
テキシアジャパンの形態とよく似ています。
さらに、以下のブログではブックメーカー詐欺会社
「スピーシー」の残党メンバーがテキシアジャパンに関与しているという情報も。
・投資詐欺で摘発されたテキシアジャパンHD、その実働部隊はブックメーカー詐欺会社「スピーシー」の残党グループ、本誌で徹底追及するブローカー「石川善光」も関与:東京アウトローズWEB速報版
スピーシーの事件は、英国政府公認の賭け業者
ブックメーカー投資で「月利10%」ほどの高配当をうたって
出資者を募っていましたが、会員への配当を中止
解約にも応じないということで問題となりました。
スピーシーへの出資者は個人・法人あわせ全国で約6000人
被害総額は約360憶円以上、二次被害も合わせると
約450億円以上にも上ると言われています。
・450億円の大型詐欺・スピーシー事件は 首謀者らにも課税だけして幕引きでいいのか
テキシアジャパンHDはライフステージ、スピーシーの残党が
はなから詐欺目的で立ち上げた「詐欺会社」であり、
まさに“プロの詐欺集団”だったということです。
テキシア事件で逮捕されたのは会長の銅子疑者含め10名のみ。
この事件に関与したメンバー全てが逮捕されたわけではないため
逮捕を逃れた残党が新たな詐欺会社を立ち上げる可能性は十分考えられるでしょう。
キングは今でも悪い奴とは思えない
「彼は人を説得する力が強くて、歌も上手かった。
今でも悪い奴とは思えなくて、正直びっくりしています。取り巻きに利用されたのかな」
そう語るのは元自民党衆院議員の久間章生元防衛相(78)。
週刊文春 2019年2月28日号では久間章生氏の
テキシア広告塔疑惑が取り上げられています。
久間章生氏は、政界を引退する前後の2012、13年ごろ
中国・北京での会合で銅子容疑者と知り合い、
2015年以降には出資者が集うパーティやイベントにも
数回参加していたようです。
2017年9月の配当停止前後には
銅子容疑者と頻繁に会っていたようですが、
テキシアジャパンHDの活動や実態は認知しておらず、
報酬も受け取っていなかったとのこと。
久間氏は銅子容疑者との関係について、週刊文春の取材に応じ、こう語った。
「5年ほど前に北京で知り合い、その後、ミャンマーの戦没者慰霊祭に一緒に行ったり、セミナーなどにも参加しました。僕は一切報酬は貰っていません」
「彼は人を説得する力が強くて、歌も上手かった。今でも悪い奴とは思えなくて、正直びっくりしています。取り巻きに利用されたのかな」
さらに、サッカー元ブラジル代表のエジミウソンに会うため、スペインのバルセロナまで同行したことなども明かした。
引用元・久間元防衛相にテキシア広告塔疑惑を直撃! 「KINGは今でも悪い奴とは思えない」 – 文春オンライン
テキシアジャパンHDは久間章生氏までも“広告塔”として利用していたのです。
人間的魅力に溢れ、高いカリスマ性があったとされる
「キング」こと銅子容疑者を筆頭に
岡山県警OB、指定暴力団六代目山口組弘道会傘下組織幹部、
ブックメーカー詐欺会社スピーシーの残党、
FX投資詐欺会社ライフステージの残党など、
様々な部門の“スペシャリスト”が集結し、
さらには元国会議員の久間章生氏というビッグネームを
広告塔として利用していたテキシアジャパンHD。
ここまでの役者が揃い、綿密に計画された大規模な詐欺事件は
前代未聞といえるでしょう。
しかし、テキシアジャパンHDの残党はまだ世の中に跋扈(ばっこ)しています。
その輩があらたな詐欺グループを組織し、
あらたな“キング”が生まれるのも遠い未来の話ではないかもしれません。
同じような被害にあわないためにも
今回の事件を教訓に、一人一人が“自衛”のためのリテラシーを
身につけなければいけないということですね。
引き続き、FXトレード研究会(FTK)で取り上げてほしい
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