海外FXで両建てが禁止されるのはなぜか?
両建てにはメリット・デメリット両方の側面がある
こんにちは。
管理人の君川です。
FXや株式投資で有効な手法の一つに
「両建て」というものがありますが、
投資を始めて間もない方にはどういうものなのか
全く分からないという方も少なくないでしょう。
使いどころさえ間違えなければ
リスクを抑えつつ利益が狙えるメリットの大きい手法ですが、
その半面、デメリットやリスクがつきまといます。
国内FXではもちろん海外FXにも
トレードにおける様々なルールが存在しますので、
この機会にメリット・デメリットの両方を理解することで
想定しうるリスクを未然に防ぐことができます。
ではまず、何がメリットになるのでしょうか。
大きく分けるとこのようになります。
・損失のリスクを最小限に抑えられる
・証拠金を抑えることができる
・スワップによる利益が期待できる
反対にデメリットとしては
・スプレッドが通常の倍かかる
・ロスカットになりやすい
・スワップの支払いによる損失
こうしたことが考えられます。
それでは以下より検証に移りたいと思います。
両建てのメリット・デメリットにはこんなものが
まずメリットとして挙げた点について
一つ一つ検証していきましょう。
そもそも両建てについて簡単に説明すると
「買いポジションと売りポジションを同時に保有する方法」
となります。
同時に保有するとは言ったものの、
ある価格で買いと売りを同時に保有したところで
どちらに転んでも利益額と損失額は同じなので、
結果プラマイゼロでの着地ということになります。
こうしてみると
あまり意味がないと感じる方がいるかも知れませんが、
リアルタイムで変動する相場状況を正確に読み切ることは不可能なので
急な変動に遭遇した際、特に有効な手法となってくるのです。
両建てでポジションを保有しておくことで
仮に相場の急変で損失を被っってしまったとしても、
利益分で補うことが可能、
つまりリスクヘッジに役立つというわけです。
買いと売りのポジションを同時保有する場合
それぞれに証拠金が必要になると考えがちですが、
両建ての場合は「片方にだけ必要」というケースがほとんど。
本来はポジションを保有する分だけ
証拠金が必要になるわけですが、
両建てでは半分の資金で成立してしまうため
資金効率の面でも非常に有効と言えるのです。
また、2国間の金利差によるスワップについても
高金利通貨を購入し低金利通貨を売却することで
安定して獲得できるという強みがあります。
こうして見てみると
メリットばかりな手法のように感じますが、
両建ても決して万能ではなくデメリットも存在します。
先ほど証拠金を抑えられるメリットを挙げましたが、
ポジション保有の際には手数料が発生しますので
証拠金を抑えられてもその分スプレッドが
通常のトレードよりも多く必要になる、ということ。
注文数が多くなればなるほど
スプレッドの額もそれだけ大きくなるので、
デメリットと考える方が多いのも納得です。
海外FXではゼロカットを採用しているところが多く
それだけに限定するとデメリットに感じられないかもしれませんが、
両建ての場合は倍の証拠金を必要とするブローカーもあります。
そうなると、急な相場変動が起こった際
すぐにロスカットの対象となってしまうわけです。
また、スワップによる損失についても
買い・売りの両方で得られる保証はどこにもなく、
どちらかで利益を得ても片方で支払うケースも少なくありません。
そうなると、スワップで必ずしも利益が見込めるわけでなく
反対に損失となる可能性も十分に考えられるため
デメリットと言っても差し支えないでしょうね。
両建てにはメリット・デメリット共に存在するので、
魅力的な手法だからと多用するのではなく
相場分析しづらい局面だけで使用するなど
使いどころを見極める必要があるということです。
海外FXで両建てが禁止されている主な理由とは?
相場がどちらに動くか分からない局面において
両建てを使用するのはとても有効ですが、
海外FXではゼロカットが採用されているため
禁止されているところが多いのが実情です。
ゼロカットについては当ブログで
以前検証させていただいた通りなので
基本的な説明は割愛させていただきますが、
証拠金以上の損失を被った場合に発動する仕組みを悪用して
利益のみを得ることが理論上可能、というのが
禁止理由の最たるものではないでしょうか。
ゼロカットを利用すれば、証拠金以上の損失が出ても
口座の資金がゼロになるだけで追証の必要がない、
つまりマイナス分を自分で補わなくて済むわけですから。
こうしたゼロカットを悪用したトレードを
頻繁に行うことは業者の規約に違反したとみなされ
重いペナルティを課せられる場合があるため、
注意が必要です。
最悪の場合「口座凍結」というケースも珍しくないので、
こうしたリスクを回避するためにも
実践する前にご自身が利用している業者で
両建てが可能か否かを事前に確認しておくのが得策といえます。
ちなみに、海外FXでは
・同一口座間
・複数の口座間
・他社の口座間
それぞれにおける両建ての可否に違いがありますので、
こちらも是非参考になさってみてください。
海外FXではほとんどの業者が
同一口座間での両建てを認めているものの、
複数口座間・他社の口座間では不可のケースが多いようです。
それに加えて、上記の場合は
ゼロカットが発動するか否かも関連しますので、
海外FXのメリットであるゼロカットを有効利用したい方は
両建ての乱用は極力控えるべきでしょうね。
なお、全ての海外FX業者において認められている
同一口座間で両建てを行う場合には
ゼロカットが発動しない仕組みとなっていますので、
こちらも合わせて参考にされてください。
ただ、このような話をすると
「バレなきゃ大丈夫でしょ?」
と安易に考える方がいらっしゃるはずなので
この機会にしっかりとお伝えしておきます。
海外FX業者は我々が想像もしないあらゆる方法を駆使して
禁止行為を行っていないか、常に調査をしています。
特に海外FXではMT4やMT5といった
プラットフォームを採用していますので、
全ての業者が取引履歴を閲覧することが可能です。
両建てが発覚した際には
トレードで得た利益が没収されたり
出金拒否をされるなんてことも十分有り得ますし、
先ほど挙げたような口座凍結に発展しかねませんので
禁止されている業者で行うことはNGですね。
その上でどうしても両建てで実践したいとお思いの方は、
比較的寛容なブローカーを選ぶなど
トレードの方向性から業者選びを行うことも大切です。
とはいえどの業者でも
「ゼロカット目的の利用は禁止」
となっていることに変わりはないので、
初めから損失を業者に押し付けようとは思わず
あくまでも最終手段の一つとして考えておいてください。
ペナルティを課せられてしまうと
今後の実践に大きく影響することは明白なので、
あくまでも業者のルールを守って
堅実なトレードを心がけてほしいものです。
引き続き、FXトレード研究会(FTK)で取り上げてほしい
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