FXの国内業者を使うメリットとデメリット
FXのトレードをするならFX取扱業者に口座を開設しよう
個人投資家の間でいまだ根強い人気を保っているのがFX(外国為替証拠金取引)です。
外国為替は世界中にマーケットがあるので24時間、
世界のどこかで取引が行われています。
自分自身のライフスタイルのあわせて好きな時間にトレードできるので
日中にトレード出来ない社会人を中心に支持されています。
FXは他の外国為替関連の商品と比べると手数料が圧倒的に安いのがメリットの一つです。
外貨預金の場合、多くの銀行では「1米ドルにつき1円」の手数料がかかります。
1万ドルの取引だと1万円もかかってしまうのですが、
FXの場合はなんとその数十分の一で済んでしまいます。
外貨預金は銀行が窓口になっている場合が多いのですが、
FXの場合はどこがトレードの窓口になるのでしょうか。
FXの場合はFX取扱会社という専門の業者が存在しているので、
そこに取引口座を開設する必要があります。
国内でFX取引が解禁されてからFXを取り扱う会社は徐々に増えており、
今ではどこを選べばいいのか迷ってしまうほどの数になっています。
しかも、国内だけではなく海外にも数多くのFX取扱会社が存在しています。
それぞれにメリットとデメリットがあるので
業者の選択には大変な労力が必要になってきます。
FX黎明期の選択肢が少なかった時代を知っているトレーダーにとっては
贅沢な悩みと言えるかもしれないですね。
一口にFX取扱会社といっても業者ごと得意な分野に違いがあります。
国内の業者と海外の業者ではこの違いが顕著になりますので
口座開設の際には長所・短所を十分に理解しておく必要があるでしょう。
そんな中、今回は日本国内のFX業者を使うことの
メリットとデメリットを考えてみたいと思います。
国内のFX業者を使うメリット
①ニュースやリポートなどの情報量が豊富
国内のFX業者の魅力の一つとして日本国内の政治、
経済のニュースや情報が非常に充実しているということが挙げられます。
円絡みの通貨ペアをトレードすることの多い日本人にとっては
こうした情報はかなり魅力的です。
一部有料のものもありますが、口座を開設していれば無料で閲覧できる情報も多く
リアルタイム性も高いので短期トレードにも威力を発揮します。
また著名な経済アナリストによる定期的なリポートを用意している業者もあり、
ファンダメンタルズ分析派のトレーダーにとって強い味方になるはずです。
トレードに必要な情報ツールは業者側がほとんど用意してくれているので、
情報収集にかかるコストをかなり圧縮することが可能です。
②日本語対応
外国語が苦手な人にとっては完全日本語対応ということだけでも
国内業者を選択する価値は十分にあると思います。
海外のFX業者の場合、ホームページが日本語対応していないケースさえあるので
口座を開設するだけでも一仕事になってしまいます。
最近では日本人の受け入れを
積極的に行っている海外業者も増えてきている傾向にありますが、
FX業者全体に占める割合はまだまだ多いとは言えません。
日本語対応をしていない場合に一番困るのはサポートの面です。
海外の業者の場合だといきなり英語で電話がかかってくるケースもあるので
サポートを受ける際には緊張感が伴います。
メールでサポートを受ける場合でも伝えたいことがうまく伝わらなかったりするので、
ある程度英語の能力がないと厳しいかもしれません。
一方の国内業者の場合は問い合わせフォームやフリーダイヤルが用意されているので
もしもの時でも安心です。
③顧客の証拠金は信託保全により保護されている
FX業者が破綻した場合に
顧客が預けた証拠金が戻ってこなかったりしたら大騒ぎですよね。
過去には実際に破たんしたFX業者から証拠金が戻ってこなかったという例もありますが、
現在では金融庁の規制によりそのようなことはなくなりました。
顧客の資産は安全性の高い信託銀行への
金銭信託(信託保全)によって保全されているので
業者が破産しても戻ってくることになっています。
一方の海外業者の状況はというと業者によってかなり対応にバラツキがあるようです。
国内業者同様に顧客の資産を信託保全している業者もあれば、
会社の経営資金と顧客から預かった資金を別々の口座で
管理する分別管理という方式をとっている業者もあります。
海外業者に口座を開設する場合には、
最初に信託保全をしているかどうかを確認することが重要になります。
信託保全をしている場合は格付けの高い金融機関に金銭信託している場合が多いので、
海外業者でも国内業者と同様の安心感を得ることが出来るのではないかと思います。
④セミナーの開催
FX業者が主催するトレードに関するセミナーが定期的に開催されています。
セミナーの対象も初心者、中級者、上級者用など幅広く用意されており、
幅広い顧客に対応できるようになっています。
こうしたセミナーはFX業者の本社の近辺で開催される場合が多いのですが、
地方の顧客を対象に地方都市で開催している業者もあるようです。
またセミナー会場に足を運べない顧客のために
オンラインセミナーを用意している業者も多数あります。
チャット機能を使うことでオンラインセミナーでも講師に質問することが可能です。
相互コミュニケーションが図れるようになっており、
会場セミナーに近いレクチャーを受けられるように工夫されています。
⑤申告分離課税で一律20%の税率
国内の業者を利用したFX取引により利益が発生した場合、
個人の場合だと一律20%の申告分離課税が適用されます。
一方、海外業者でFX取引した場合の税金は雑所得で申告することになります。
利益が多い場合には申告分離課税で一律20%の税率の国内でのFX取引が有利になります。
国内のFX業者を使うデメリット
①レバレッジ規制
平成19年~20年頃からFX取引における高レバレッジ化が目立つようになってきました。
そのため顧客保護、業者のリスク管理、過当投機の観点から金融庁により
レバレッジ規制が施されることになりました。
平成22年8月1日からの1年間はレバレッジの上限が50倍、
平成23年8月1日以降はレバレッジの上限が25倍になり現在に至っています。
高いレバレッジをかけることで
少ない資金でも大きなロットで売買が出来る効率の高さがFXの魅力の一つでした。
スキャルピングのような少ない利益を積み重ねていくトレード手法にとって
高レバレッジは必需だっただけに
短期トレーダーにとっては厳しい規制になってしまいました。
海外業者の場合だと数100倍から1000倍くらいまでと
かなりハイレバレッジが可能な業者が存在しています。
スキャルピングを多用するトレーダーにとっては
海外業者のレバレッジの高さは魅力的に映っていることでしょう。
②トレード対象の通貨ペアの種類が少ない
国内業者ではトレード可能な通貨ペアが海外業者と比較すると少ない傾向にあります。
メジャー通貨、クロス円、オセアニア通貨など比較的日本人にとって
馴染みのある通貨ペアの充実度が目立ちますが、
マイナーな通貨が充実している業者は少ないようです。
マイナーな通貨ペアを取引きしたいのなら現時点では、
金融商品取引業者登録をしている外資系のFX業者か、
海外業者の中から選択するのが近道です。
③強制ロスカットが機能しなかった場合に追加証拠金(追証)が発生
FXなどの証拠金取引では、最低証拠金維持率が定められています。
例えば最低証拠金維持率が25%の場合には、
証拠金維持率が25%を下回った時点でマージンコールがかかります。
マージンコールとは証拠金を追加するかポジションを決済するなどして
「最低保証金を維持するようにして下さい」という業者からの警告です。
マージンコールを受けているのにも関わらず追証を入れない場合は
すべてのポジションが強制的に決済されてしまいます。
証拠金取引のこのような仕組みにより通常は証拠金以上の損失をだすことはありません。
しかし、為替相場に急激な変動があった場合や週明けに大きく窓が開いた場合などに
強制ロスカットが正常に執行されず口座残高がマイナスになってしまう場合があります。
強制ロスカットが間に合わずにマイナス残高になってしまった場合には、
マイナス分は債務扱いになるので顧客は追加で証拠金を入金しなくてはなりません。
一方、海外だとゼロカットシステムを採用している業者が多いので
損失分を顧客が追証として負担する必要はありません。
まとめ
セミナーや情報提供などを含むトータルでのサポート体制の充実度を考えると
FX歴の浅い人ほど国内業者を利用するメリットが大きい
と言えるのではないかと思います。
トラブルが発生した時に
24時間日本語で対応してくれる顧客サポートが存在しているのは心強いですね。
一方FX歴が長くトラブルがあった場合でも
現地のサポートデスクと英語でやりあえる人にとっては、
レバレッジの高さや通貨ペアの多さから
海外業者を選択するメリットは大きいと思います。
自分自身のスキルとトレードスタイルに応じて
柔軟に選ぶことが重要なのではないでしょうか。
次回は、FXの海外業者を利用するうえでの
メリット・デメリットについて詳しく解説させていただきます。
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